竹パルプとは－SHIFT ON（シフトオン）の用語集

竹パルプとは

竹パルプについて、基本的な知識から作り方、具体的な製品例まで詳しく解説します。

竹パルプは、竹を原料としたパルプで、従来の木材パルプに比べ環境負荷を低減できる点が評価されています。
竹は、イネ科タケ科に属する多年生植物で、成長速度が非常に速く、3〜5年で成木になります。
木材に比べて短期間で収穫できるため、持続的な資源として注目されています。

竹パルプは、木材パルプに比べて成長が早く、環境負荷が低いという特徴があります。
この成長サイクルの速さは、竹が1ヘクタールあたりの収量で木材を大幅に上回ることを意味し、持続可能性の重要な要素となっています。
また、竹は二酸化炭素の吸収量が多く、地球温暖化防止にも貢献することが期待されています。

竹パルプの作り方

伐採：竹林の維持と高品質な竹の子生産のため、計画的に竹を伐採します。
運搬：伐採された竹は、チップ工場へ運搬されます。
　　　竹は中空であるため、他の建材に比べて輸送効率が低く、コストがかかりやすいという課題があります。
チッピング：チップ工場で竹を細かく砕きます。
　　　　　　この工程の効率は、木材のチッピングに比べて半分程度です。
パルプ化：木材チップと同様の工程で竹紙が完成します。

竹パルプの特徴

竹パルプの性能は一般的に針葉樹パルプと広葉樹パルプの中間に位置すると言われています。
竹パルプは繊維の太さが広葉樹パルプ並みに細く長さは広葉樹パルプの約２倍となります。
パルプ繊維が長いことにより、引張、破裂などの強度特性が優れ折り曲げ強さに優れています。
竹特有の細くてしなやかな繊維は、断面が丸い形状を保っており、これが独自の風合いや柔軟性をもたらします。

竹パルプのメリット

竹パルプの最大のメリットは、持続可能な資源として森林保全に寄与できる点です。
竹は木材と比べて成長が早く、再生周期が短いため、過剰な森林伐採を抑制できます。
これにより、CO₂削減や環境保全に大きく貢献し、地域経済や竹林管理の促進にもつながります。
以上から、竹パルプは環境・社会両面でメリットを発揮し、持続可能な製紙原料として今後の需要が期待される素材と言えます。

竹パルプのデメリット

一方、竹パルプには原料効率や加工コストなど、いくつかの課題が存在します。
竹は内部が中空であるため、同じ量のパルプを得るには木材よりも多くの竹が必要となります。
また、竹の硬さや繊維特有の性質により、均一な品質の製品を作るためには高度な加工技術が求められ、結果として製造コストや輸送費が上昇しがちです。

例えば、竹パルプを用いたトイレットペーパーは環境にやさしい反面、原料調達量が多く必要なため、加工工程でのコスト増加や、運搬時の効率低下が課題となり、従来のフレッシュパルプ製品よりも高価になる傾向が報告されています。
このように、竹パルプは環境面で大きなメリットを有する一方、製造プロセスやコスト面での課題があり、今後の技術革新と生産効率の向上が必要とされる素材です。

竹パルプを使用した製品紹介

こちらでは、竹パルプ用いた製品をご紹介します。

竹パルプを使用した紙製品

竹紙は、しなやかで優しい風合いを持ち、それで製造したノートやレターセットやカレンダーなどで活用されています。

竹パルプを使用した名刺

竹パルプを利用した名刺は、環境に配慮した企業が採用するケースが増えています。
耐久性や高級感を維持しながら、エコ素材としての訴求力があります。

竹パルプを使用したティッシュ

漂白をしていないテッシュは、竹由来の自然な色味があり高級感を演出することができます。
破れにくいのも特長としてあり、丈夫さを求めるユーザーのニーズにこたえることができます。

竹パルプを使用したトイレットペーパー

竹を原材料として利用したトイレットペーパーは、通常のものと比べて丈夫なところがメリットとしてあげられます。

竹パルプを使用したペットシーツ

消臭・抗菌効果を発揮し、気になる臭いを軽減する付加価値を施したペットシーツも販売されています。
FSC認証を取得し、森林資源の竹を使用するなど環境に配慮した製品もあります。

まとめ：竹パルプ

竹パルプは、環境負荷低減、高い耐久性、抗菌や高級感を演出することができる色味など多くのメリットを持つ素材です。
一方で、加工コストや品質管理の課題もありますが、名刺、紙、ティッシュ、トイレットペーパーといった幅広い製品に応用できる点が魅力です。
今後、エコロジー志向の高まりとともに竹パルプ市場は拡大が予測され、消費者や企業にとって重要な選択肢となるでしょう。