フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」です。
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
コットンにおいては世界70カ国以上で、およそ1億世帯が生産に従事しています。
特にカメルーンやマリなどの西アフリカや、インド、パキスタンといたアジア地域の開発途上国にとっては、国の経済や人々の生活を支える重要な輸出農産品です。
コットン貿易の影にもまた先進国に有利な不平等な構造があり、開発途上国の多くのコットン生産者は、生産コストすらまかなえない低価格の厳しい状況を強いられています。
また、天然素材の代名詞のようなコットンですが、世界中の農耕面積の約3%足らずの栽培農地面積にもかかわらず、世界で使用される殺虫剤の約16%、農薬全体の約10%がコットン農場で使われているという報告があります(PESTICIDE ACTION NETWORK, 2007)。
国際的には使用禁止の危険な農薬も、途上国では未だに使用されていることもあり、環境に大きなダメージをもたらすばかりか、生産者の農薬による中毒死や健康被害も深刻です。
国際フェアトレード基準では、危険な農薬を禁止するだけでなく、オーガニック栽培を奨励するため生産者へは価格の上乗せも保証されます。
国際フェアトレード基準は、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)によって設定されるフェアトレード全般に関する基準です。
これらの基準は、基準委員会(Standards Committee)と全てのステークホルダー(フェアトレードに参加する生産者や貿易業者など)によって、定期的に見直されています。
国際フェアトレード基準の原則
経済的基準 | 社会的基準 | 環境的基準 |
●フェアトレード最低価格の保証 ●フェアトレード・プレミアムの支払い ●長期的な取引の促進 ●必要に応じた前払いの保証など |
●安全な労働環境 ●民主的な運営 ●差別の禁止 ●児童労働・強制労働の禁止など |
●農薬・薬品の使用制限と適正使用 ●有機栽培の奨励 ●土壌・水源・生物多様性の保全 ●遺伝子組み換え品の禁止など |
国際フェアトレード認証コットンラベルは、製品が国際フェアトレード基準を守って生産および取引されたコットンで作られていることを示しており、生産のすべての段階で物理的なトレースが可能であり、加工中に非フェアトレード認証コットンと混合されることはありません。
コットン以外の繊維を含む混合繊維製品の場合、製品重量の50%以上(注1)がコットンからなり、かつ製品に使用されるすべてのコットンが認証コットンである場合、この認証ラベルを使用することができます。
(注1)ユニフォーム、ワークウェアに限り30%以上
国際フェアトレード認証コットンラベル
The FAIETRADE Cotton Mark
国際フェアトレード原料調達ラベル(FSIラベル)
FAIRTRADE Sourced Ingredient Marks
FSIラベルは主に複合材料製品に使用されますが、タブに記載されている原料が、フェアトレードとして調達されていることを示しています。
なおタブの中に表示される矢印は、その原料が「マスバランス」で調達されたことを示し、パッケージ裏面に詳細情報が記載されています。
FSIラベルの導入により、小規模生産者や労働者はフェアトレード条件で原料を販売できる機会が増え、企業はより柔軟性をもってフェアトレードに参加することができるようになりました。
また消費者にも、持続可能な買い物をするためのより多くの選択肢を提供しています。
この制度の基で調達された原料は、フェアトレード基準に従って認証され、生産者は従来の認証制度と同等のメリットを受けることができます。
フェアトレードジャパン|fairtrade japan|公式サイト
https://www.fairtrade-jp.org/
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