ウォーターフットプリントとは

ウォーターフットプリントとは、サービスや製品の製造・加工・流通、消費、廃棄に伴って使用された水の総量を示す指標。
直接使用した水量だけではなく、あらゆるサプライチェーンで必要となる間接的な水の消費も含まれる。


ウォーターフットプリントの種類一覧

ウォーターフットプリントは3種類に分類される。

●ブルーウォーター:河川や地下水のなどの淡水資源から取水される水
●グリーンウォーター:雨水が土壌中に染み込み、そこから作物に吸収され蒸発・発散し大気へと再び放出される水
●グレーウォーター:サービスや製品製造に伴い汚染された水を希釈するために使用される水


ウォーターフットプリントの例

食品や衣類、工業製品など日常生活で使用している製品は、多くの水を使用している。
例として以下があげられる。

●コーヒー
1杯に使用される水の量は、原料の生産から製品の生産、輸送販売、使用を経て廃棄リサイクルまでに約12リットルが必要とされている※1
製品の消費水量は少量であっても、膨大な水資源が使われていることがわかる。


日本でのウォーターフットプリント

日本は水資源が比較的豊富な国とされているが、実際には多くの製品や食料を海外から輸入しており、その過程で膨大な量の水を間接的に消費している。
これらの輸出入の農産物・畜産物の生産に要した水の量を仮想水(バーチャルウォーター)と呼ぶ。

例として日本は牛肉や小麦、大豆などの食料の多くを輸入に頼っている。これらの製品には大量の水が必要となる。
そのため、日本の食料自給率が低いことは、結果として他国の水資源への依存度を高めることに繋がる。
よって日本国内でも水の利用効率を高める取り組みが進んでいる。

●産業分野:工場の排水を再利用する技術の導入、水使用量を抑える生産プロセス
●農業分野:節水技術の導入や、水田の水管理を最適化するシステムの開発・導入
●家庭での取り組み:節水型の家電の普及や、雨水の再利用

これらの取り組みを進めることで、日本国内のウォーターフットプリントを削減し、持続可能な水資源利用を実現することが求められている。


ウォーターフットプリントの計算

ウォーターフットプリントの計算は、サービスや製品の生産に関する水消費量を測定し、ブルーウォーター、グリーンウォーター、グレーウォーターの3要素を総合的に評価することで行われる。※2

●直接的な水消費量:生産工程で使用される水の量を測定
●間接的な水消費量:原材料の生産に必要な水の量を考慮
●水質への影響:排水による環境負荷を評価

また、国際的な基準としてウォーターフットプリントネットワーク(WFN)が提唱する計算方法があり、企業などが水資源管理に活用している。※3
持続可能な水利用を推進するために、企業や個人がウォーターフットプリントを意識し、水の消費を最適化することが求められている。


参考

※1 公益財団法人 地球環境センター 「ウォーター・フットプリント(Water Footprint)水の足跡とは?」
https://gec.jp/gec/jp/Activities/pr/fy2010/kouza/kouza20101204.pdf

※2 環境省 「ウォーターフットプリント算出事例集」
https://www.env.go.jp/water/wfp/index.html

※3 Water Footprint Network
https://www.env.go.jp/water/wfp/index.html


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