中質紙とは

中質紙とは、化学パルプと機械パルプを原料として作られた印刷用紙の一種です。上質紙と下級印刷紙(更紙:ざらがみ)の中間に位置する品質と価格帯の紙で、書籍、雑誌、教科書、ノートなど幅広い用途で使用されています。その汎用性とコストパフォーマンスの高さから、大量印刷物によく用いられます。

中質紙について詳しく解説

中質紙と上質紙の違いは? ~品質と価格のバランス~

中質紙と上質紙の最も大きな違いは、原料となるパルプの配合比率、そしてそれに起因する白色度、平滑度、不透明度、価格の違いです。

  • 上質紙: 化学パルプ100%で作られています。化学パルプは、木材チップを薬品で処理して繊維を取り出したもので、不純物が少なく、繊維が長いため、強度が高く、白色度が高いのが特徴です。このため、上質紙は、表面が滑らかで、インクの発色が良い、高級感のある仕上がりになります。書籍、パンフレット、写真集、カタログ、名刺など、品質が重視される印刷物に適しています。
  • 中質紙: 化学パルプの含有率が70%以上で、残りは機械パルプ、古紙パルプなどが使用されます。機械パルプは、木材を機械的にすりつぶして作られるため、繊維が短く、リグニンなどの不純物も多く含まれます。このため、中質紙は上質紙に比べて白色度や平滑度がやや劣り、インクの発色も若干劣ります。しかし、上質紙よりも安価で、大量印刷に適しているため、書籍、雑誌、教科書、ノート、チラシ、問題集など、幅広い用途で利用されています。

具体的な数値で見る違い

特徴 上質紙 中質紙
白色度 80%以上(高いほど白い) 70%〜80%程度
平滑度 高い(表面が滑らか) 中程度
不透明度 高い(裏抜けしにくい) 中程度(上質紙よりやや裏抜けしやすい)
価格 高い 比較的安い
主な用途 高級書籍、パンフレット、写真集、カタログ、名刺など 書籍、雑誌、教科書、ノート、チラシ、問題集など
備考 インクジェットプリンターやレーザープリンターの適応性も高い 筆記性に優れる

 


用途による使い分けのポイント

  • 品質重視: 写真集、美術書、高級パンフレットなど、画質や発色を重視する場合は、上質紙が適しています。
  • コスト重視: チラシ、フリーペーパー、大量配布する資料など、コストを抑えたい場合は、中質紙や更紙が適しています。
  • バランス重視: 書籍、雑誌、教科書など、品質とコストのバランスが求められる場合は、中質紙が適しています。

紙のなかで中質紙とは具体的にどんな紙?

中質紙は、上質紙と更紙の中間的な性質を持つ印刷用紙で、その特徴は、原料、白色度、表面の平滑度、そして用途に表れます。

特徴の詳細

  1. 原料: 化学パルプと機械パルプ、または古紙パルプを混合して作られます。化学パルプの割合は70%以上と定められています(JIS規格)。
  2. 白色度: 上質紙ほど白くはありませんが(70〜80%程度)、更紙よりは白く、自然な白さを持っています。
  3. 表面: 上質紙ほど滑らかではありませんが、更紙よりは滑らかで、鉛筆やボールペンでの筆記性も良好です。
  4. 用途: 書籍、雑誌、マンガ、問題集、学校の教材、ノートなど、幅広い印刷物に利用されています。
  5. 不透明度:上質紙より若干低いですが、更紙よりは高く、両面印刷にもある程度対応できます。

印刷適性と用途

上質紙は、その滑らかな表面と高い白色度により、インクの発色が非常に良く、鮮明な印刷結果が得られるため、商業印刷、書籍、教科書、ポスターなど幅広い用途に利用されています。
一方、中質紙は、適度な印刷適性とコストパフォーマンスのバランスが取れており、雑誌、新聞、カタログ、チラシ、教科書、電話帳の本文用紙など、大量印刷が必要な用途に広く用いられています。
中質紙は雑誌・教科書・電話帳などの本文用紙に適しているとされています。短期間で利用される、雑誌、新聞、カタログ、チラシなどが主な用途として挙げられています。
中質紙の良好なインク吸収性は、新聞印刷のような高速印刷において、インクの乾燥時間を短縮し、裏移りを防ぐ上で重要な特性となります。上質紙は高品質な商業印刷に適していますが、中質紙はその経済性から、大量の情報を伝達する用途において重要な役割を果たしています。
印刷物の目的や予算に応じて、適切な用紙を選択することが重要です。

中質紙は学校でよく使われる? ~教材としてのメリット~

中質紙は、学校の教材(教科書、ノート、問題集、プリントなど)に広く使用されています。その理由は、中質紙が持つ特性が、学校教育の現場でのニーズに合致しているためです。

学校教材としてのメリット

  1. コストパフォーマンス: 上質紙に比べて安価であるため、大量に印刷・配布する教材に適しています。
  2. 筆記適性: 鉛筆やボールペンでの書き込みがしやすく、消しゴムで消しやすい。学習活動に適した筆記性を持っています。
  3. 印刷適性: 文字や図表を印刷するのに十分な品質を持っており、教科書や問題集などの教材に適しています。
  4. 目の負担軽減: 上質紙ほど白くないため、長時間見ていても目が疲れにくいというメリットもあります。
  5. 軽量性: 上質紙に比べ、若干軽量なため、持ち運びの負担が少ない

中質紙は100均で手に入る? ~賢い選び方~

100円ショップで「中質紙」という名前で販売されていることはほとんどありません。しかし、「らくがき帳」「自由帳」「スケッチブック」などとして販売されているノートの中には、中質紙に相当する紙が使われていることがあります。

100均での選び方のポイント

  1. 紙の厚さ: ある程度の厚みがあるものを選びましょう。薄すぎると裏抜けしやすく、筆記具によっては書き心地が悪くなります。
  2. 紙の色: 真っ白ではなく、やや黄色みがかっている、または、クリーム色がかっているものを選びましょう。上質紙はより白く、更紙はより黄色みが強いです。
  3. 表面の質感: 触ってみて、ザラザラしすぎていないものを選びましょう。上質紙はより滑らかで、更紙はよりザラザラしています。
  4. 価格: あまりにも安いものは、品質が低い可能性があります。

中質紙とコピー用紙の違い ~用途と特性の比較~

コピー用紙は、主にオフィスでのコピーやプリンターでの印刷に使用される用紙で、多くの場合、上質紙が使用されています。中質紙もコピー用紙として使用できますが、両者には明確な違いがあります。

詳細な比較

特長 中質紙 コピー用紙(主に上質紙)
白色度 上質紙よりやや低い(70〜80%程度) 高い(80%以上)
平滑度 上質紙よりやや低い 高い
不透明度 中程度(上質紙よりやや裏抜けしやすい) 高い
価格 比較的安い 中質紙より高い
主な用途 書籍、雑誌、教科書、ノート、チラシなど オフィスでのコピー、プリンターでの印刷、資料作成など
インクの裏抜け コピー用紙よりは裏抜けしにくい 中質紙よりは裏抜けしやすい
筆記特性 鉛筆、ボールペンでの筆記に適している ボールペンでの筆記には適しているが、鉛筆での筆記は中質紙より劣る場合がある
備考 古紙パルプを配合できるため、環境に配慮した製品もある 大量消費されるため、FSC認証などの環境配慮型製品も多い


中質紙の代表的な銘柄 ~メーカーと製品の特徴~

中質紙には、さまざまな製紙メーカーから多くの銘柄が販売されています。それぞれの銘柄には、白色度、平滑度、不透明度、印刷適性などに微妙な違いがあります。

王子製紙の中質紙

王子製紙は、日本を代表する製紙メーカーの一つであり、中質紙の分野でも幅広い製品ラインナップを提供しています。

  • OKアドニスラフ65: 漫画などに活用されている素材。
  • OKアドニスラフW: 素材感のある色相と肌感がどこか懐かしい嵩高中質紙「OKアドニスラフ」シリーズの色バリエーション。くすみ感のない、すっきりとした白さが特徴。※1

日本製紙の中質紙ブランド ハイランド

中質紙の代表銘柄であり、認知度が大変高い製品です。不透明度が高く、書籍や学習参考書に使われ、豊富な品揃えにより、チラシ等多用途に利用されています。※2

その他のメーカーの中質紙

大王製紙など、他の製紙メーカーも中質紙を製造しています。各メーカーの製品には、それぞれ特徴がありますので、用途や印刷方式に合わせて最適な銘柄を選ぶことが重要です。

中質紙についてまとめ

中質紙は、上質紙と更紙の中間に位置する印刷用紙であり、その最大の特徴は、品質とコストのバランスの良さです。化学パルプと機械パルプ(または古紙パルプ)を原料とし、上質紙に比べて白色度や平滑度はやや劣るものの、十分な印刷適性と筆記適性を持ち、書籍、雑誌、教科書、ノート、問題集、チラシなど、幅広い用途で使用されています。
100円ショップで「中質紙」として販売されていることは稀ですが、「らくがき帳」や「自由帳」などとして、中質紙に相当する紙が使われていることがあります。代表的な銘柄としては、王子製紙の「OKアドニスラフ65」、日本製紙グループの「ハイランド」などがあり、各メーカーがさまざまな特性を持つ製品を提供しています。
中質紙は、その特性を理解し、用途や印刷方式に合わせて適切に選択することで、印刷物の品質を確保しつつ、コストを抑えることができる、非常に有用な印刷用紙です。

参考資料

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