紙緩衝材のメリットとは?種類から失敗しない選び方まで徹底解説
商品の梱包や発送業務において、現在どのような緩衝材を使用していますか?世界的に脱プラスチックの動きが...
事業を最適化する紙総合商社SHIFTON
ストレッチフィルムは、パレットに積み上げた荷物を固定し、輸送中の荷崩れを防ぐために物流現場で日常的に使われている基本資材です。
製造業、物流業、小売業を問わず、出荷作業の「当たり前」として多くの現場に定着しています。
しかし近年、この当たり前の資材にさまざまな課題が顕在化してきました。
作業者ごとの巻きムラによる荷崩れリスク、原料価格の高騰にともなうコスト増、そして使い捨てに起因するプラスチック廃棄物の環境負荷です。
「ストレッチフィルムをただ巻いていればよい」という時代は終わりつつあります。
本記事では、ストレッチフィルムの基本的な役割や構造から、現場でよくある課題、選び方の見直しポイント、他の荷崩れ防止製品との比較、環境配慮型フィルム、そしてトータルコストでの最適化まで、物流現場の担当者が押さえておきたい情報を体系的に解説します。
ストレッチフィルムとは、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を主原料とした伸縮性のあるフィルムです。
引き伸ばしながらパレット上の荷物に巻きつけることで、フィルムの復元力と自己粘着性により荷物をしっかりと固定します。
JIS Z1702(包装用ポリエチレンフィルム)にも規定されている、物流現場の基幹資材です。
ストレッチフィルムには大きく3つの役割があります。
1つ目はパレット上の荷物を1ユニットに固定し、輸送中の荷崩れを防ぐ「固定」です。
2つ目はフィルムで荷物全体を覆うことで、埃や異物の付着から製品を守る「防塵」の役割を果たします。
そして3つ目は、外気の湿気を遮断し、保管中の品質劣化を抑える「防湿」機能です。
これらの機能を1枚のフィルムで同時に実現できる汎用性の高さが、業種を問わず幅広い現場で採用されている理由です。
ストレッチフィルムは、LLDPEを共押出法で多層構造にすることで、伸縮性と強度を両立しています。
引き伸ばし率は一般的に150〜200%で、引っ張ると伸びたあとに元に戻ろうとする復元力が荷物を締め付けます。
フィルム表面には微粘着性(タック性)があり、テープを使わなくてもフィルム同士が密着して固定されます。
種類は大きく手巻き用と機械巻き用に分かれます。
手巻き用は幅500mm×300m巻が一般的で、14〜15μの厚みが主流です。
機械巻き用は自動ストレッチ包装機に対応した仕様で、10〜12μの薄肉タイプが多く使われます。
厚みは6〜25μまで多岐にわたり、荷物の重量や用途に応じて選定します。
便利なストレッチフィルムですが、使い続けるなかで見過ごせない課題も浮かび上がっています。
ここでは「作業品質のバラつき」「コスト増」「廃棄・環境負荷」の3つの軸で整理します。
手巻き作業は、作業者の経験や体格によってフィルムの張力・巻き数・重ね幅にバラつきが生じやすい作業です。
張力が不足すればフィルムが緩み、輸送中に荷崩れが発生します。
逆に引っ張りすぎるとフィルムが切れたり、積み荷が圧損を受けたりするリスクがあります。
こうした巻きムラを解消する方法の一つが、自動ストレッチ包装機(自動機)の導入です。
巻き回数や張力をプログラムで制御できるため、誰が作業しても一定品質の包装が実現します。
ストレッチフィルムの主原料であるLLDPEは原油価格に連動しやすく、近年の価格高騰にともない1パレットあたりのフィルムコストは上昇傾向にあります。
さらに、巻きムラへの不安から「念のため多めに巻いておく」という運用が定着している現場では、フィルムの消費量が必要以上に膨らみがちです。
コストを適正化するためには、まず1パレットあたりの使用量(m/パレット)を計測し、現状を見える化することが重要です。
使い捨てのストレッチフィルムは、使用後にプラスチック廃棄物となります。
2021年に策定された総合物流施策大綱(国土交通省|総合物流施策大綱)や、2023年6月に策定された「物流の適正化・生産性向上に向けたガイドライン」でも、物流分野のグリーン化が方針として掲げられています。
直接的な法律上の義務ではないものの、業界全体として環境対応が求められる流れは加速しており、廃棄コスト(処理料金・保管スペース・人件費)の増大もあいまって、素材変更や使用量削減、代替資材の検討を進める企業が増えています。
ストレッチフィルムを選ぶ際、「厚み」や「単価」だけに注目してしまうケースは少なくありません。
しかし、現場運用全体を見渡すと、見直すべきポイントは5つあります。
まず取り組みたいのは、1パレットあたり何mのフィルムを使用しているかを計測し、適正値と比較することです。
フィルムの厚みを見直す(例:15μから12μへ変更)ことで、使用量を抑えつつ十分な強度を確保できるケースがあります。
エッジ強化タイプなど、薄肉化に対応した製品も選択肢に入れて検討するとよいでしょう。
手巻きの場合は、ブレーキ付きホルダーやディスペンサーの導入によりフィルムの張力を安定させることができます。
出荷量が多い現場では、自動ストレッチ包装機を導入し、巻き回数・張力をプログラムで制御する方法が有効です。
品質のバラつき解消と作業時間の短縮を同時に実現できます。
ストレッチフィルムをリサイクルするためには、素材がLLDPE単一であること、使用後の汚れが軽微であること、回収・集積拠点が確保されていることの3条件を満たす必要があります。
コアレスタイプ(ライナー紙芯)の製品を選べば、紙管の分別作業が不要になり、廃棄工程の簡略化に役立ちます。
ストレッチフィルム単独で荷崩れを防ぐのではなく、防滑紙やバンド、スリーブボックスなどと組み合わせることで、フィルム使用量を削減しつつ荷崩れ防止性能を維持する方法があります。
段積み時の層間滑り防止には防滑紙、短距離輸送ではフレキシブルバンドなど、シーンに応じた使い分けが効果的です。
企業のサプライチェーン排出量(Scope3)や社内のプラスチック削減KPIに対して、ストレッチフィルムの選定は直接的な影響を持ちます。
再生原料の使用比率やフィルム使用量の削減率を数値目標に落とし込み、調達部門と環境部門が連携して取り組むことが、持続的な改善につながります。
ストレッチフィルム以外にも荷崩れを防ぐ方法はあります。
それぞれの特徴を把握し、自社の荷姿や作業工程に合った方法を選ぶことが重要です。
PPバンドやPETバンドによる固定は引張強度が高く、重量物の固定に適しています。
ただし、締め付け作業には専用工具が必要で、作業時間がかかる点がデメリットです。
締め過ぎによる製品損傷のリスクもあるため、ストレッチフィルムと併用するケースが多く見られます。
シュリンクフィルムは熱収縮で荷物に密着させるため、包装の美観性や密着性に優れています。
一方で加熱工程が必要なためエネルギーコストがかかり、フィルム自体の厚みがストレッチフィルムより大きいため、廃棄量も増加する傾向にあります。
プラダン製のスリーブボックスでパレットを囲い込む方式は、かぶせるだけで作業が完了し、リユースが可能で廃棄物も出にくい利点があります。
ただし、導入にあたってはパレットサイズの統一やボックスの保管場所の確保など、現場のオペレーションを変更する必要がある点に留意が必要です。
紙の両面に防滑加工を施した防滑紙は、段積みの層間に敷くだけで滑り止め効果を発揮します。
紙素材のためリサイクルが容易で、環境対応に優れた選択肢です。
ただし、フィルムのように荷物全体を覆う固定力はないため、ストレッチフィルムやバンドとの組み合わせが前提となるケースが多くあります。
ストレッチフィルムは荷物全体を1パレット単位で「面」で包み込めるため、フォークリフトでの運搬時に個々の箱がズレるリスクが低く、運搬負荷を軽減できます。
バンドが「線」で、防滑紙が「点」で固定するのに対し、ストレッチフィルムは面全体で保持する点が最大の特長です。
| 固定力 | 作業性 | 環境負荷 | コスト | リユース性 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ストレッチフィルム | ◎ 面で固定 | ◎ 簡単 | △ 使い捨て | ◎ 低コスト | × 不可 |
| バンド固定 | ◎ 高強度 | △ 工具必要 | ○ 少量 | ○ 中程度 | × 不可 |
| シュリンク | ○ 密着 | △ 加熱必要 | △ 厚い | △ 高め | × 不可 |
| スリーブボックス | ○ 囲い込み | ◎ かぶせるだけ | ◎ リユース | △ 初期投資 | ◎ 可能 |
| 防滑紙 | △ 層間のみ | ◎ 敷くだけ | ◎ 紙素材 | ○ 中程度 | △ 限定的 |
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「環境にやさしいフィルム=性能が低い」という先入観を持つ方もいるかもしれません。
しかし近年登場している環境配慮型ストレッチフィルムは、従来品と遜色ない性能を備えています。
再生ポリエチレンを配合したストレッチフィルム(主に機械巻き用)が登場しており、従来品と同等の引張強度・伸縮性を確保しています(BUSINESS INSPIRE ONLINE)。
また、エッジ強化タイプのように両端を折り返して端面強度を高めた薄肉化フィルムを使えば、たとえば15μから12μへの変更で1パレットあたりの樹脂使用量を約20%削減できます。
ストレッチフィルムのリサイクルを成立させるには、3つの条件を満たす必要があります。
1つ目は素材がLLDPE単一(多層構造でも同系樹脂)であること、2つ目は使用後の汚れが軽微であること、3つ目は回収・集積拠点が確保されていることです。
産廃処理業者との連携や、ライナー紙芯(コアレスタイプ)の採用による分別負荷の軽減など、回収の仕組みを整えることがリサイクル率向上のカギとなります。
ストレッチフィルムの使用量を減らすこと自体は大切ですが、それだけを目的にすると全体最適を見失う可能性があります。
フィルム使用料・作業時間・廃棄量・破損や返品のリスクを含めたトータルコストで資材を選ぶ視点が重要です。
たとえば、フィルム単価が安くても巻きムラで荷崩れが起き、返品が発生すれば総コストは上がります。
逆に、自動機を導入して作業時間とフィルム使用量を削減すれば、単価の高いフィルムを使っても総コストが下がるケースもあります。
「フィルム代」「1パレットあたりの作業時間」「廃棄処理費」「破損・返品による損失額」の4要素でトータルコストを試算し、現場ごとに最適な資材の組み合わせを検討することが大切です。
ストレッチフィルムは物流現場に欠かせない基本資材ですが、巻きムラ・コスト増・環境負荷という3つの課題があることも事実です。
選定時には「使用量の適正化」「作業再現性の確保」「廃棄のしやすさ」「他資材との組み合わせ」「環境目標との整合」の5つのポイントを見直すことで、課題の解消と現場改善を同時に実現できます。
また、ストレッチフィルムだけに頼るのではなく、バンド・スリーブボックス・防滑紙などを組み合わせたトータルコストの視点で最適解を探ることが、これからの物流現場には求められています。
KPPグループ(国際紙パルプ商事)は、ストレッチフィルムから防滑紙・スリーブボックス・緩衝材・パレットまで、梱包・出荷作業の課題を解決する製品を幅広く取り扱っています。
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