紙製ストローとは
紙製ストローとは、紙から製造したストローを指す。
従来のプラスチック製ストローに代わる、環境負荷を低減した製品として注目されている。
原料には木材パルプや竹、サトウキビの搾りかすなどが使用され、生分解性を有している点が特長。
紙製ストローのメリット
- 廃棄物削減によって環境への配慮
プラスチック製ストローは、年間800万トンとも推計される海洋に流出したプラスチックごみの種類の中の一つとされることがある。※1
そのままとどまること、あるいは紫外線や波の力によって5mm以下のマイクロプラスチックになることのどちらも懸念される。
紙製ストローは適切な処理を経た際、生分解がおこなわれるため海洋汚染リスクの低減につながる。
また、一度きりの使用で終わってしまう製品を生分解性に置き換えることで、焼却処分されるプラスチック量を減らし、焼却時に発生するCO2排出量の削減にも貢献する。
- 多様なデザイン
デザインの自由度が高く、色や柄、形状などにバリエーションを持たせることができる。使用する場面や提供する飲み物、ブランドイメージに合わせてデザインを選択できるため、顧客体験の向上にもつながる。
紙製ストローのデメリット
- 使用感
プラスチック製ストローに比べると紙製ストローは水分を吸収しやすく耐久性が低いため、長時間使用するとふやけてしまうことがある。特に炭酸飲料や温かい飲み物の場合、劣化が早まる傾向がある。
また、使用者によっては独特の匂いや味、口当たりが気になる場合もある。さらに製品によっては、表面のコーティング剤の匂いが気になるという意見もある。
- コスト
紙製ストローは一般的にプラスチック製ストローよりも製造コストが高くなる傾向がある。
これは、原料となる紙の価格や、耐水性や耐久性を高めるための加工工程などが影響している。
そのため、大量に導入する企業や飲食店にとっては、コスト面での負担が大きくなる可能性がある。
デメリットを受けての動き
紙製ストローのデメリットを受け、一部の企業ではプラスチック製ストローに戻す動きも出ている。
2025年にはアメリカで、紙製ストロー廃止の大統領令に署名が行われたという報道があった。発令前には紙製ストローの使い心地の悪さや耐久性の低さに言及していた。
紙製ストローのまとめ
紙製ストローは環境にやさしい代替品として注目されているが、使用感やコスト、安全性などの課題も抱えている。
重要なのは、紙製ストローとプラスチック製ストローの単純な比較に終始するのではなく、ワンウェイ(使い捨て)で利用される製品全体のあり方を捉え、使用後の処分方法や再生利用の可能性まで考慮し、他の持続可能な素材への置き換えを検討していくことといえる。
バイオプラスチックや竹、麦わらなど、多様な素材の活用と、それらのライフサイクル全体での環境負荷低減に向けた取り組みが求められる。
※1
環境省「令和2年版 環境白書」
https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r02/html/hj20010103.html
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