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環境負荷が少ないことで注目をされるPLA樹脂をご存じでしょうか。食品容器から農業用マルチまで幅広く使用されるPLA樹脂は、どんな特長がありなぜ今注目されているかを説明していきます。
PLA樹脂はトウモロコシやじゃがいも由来のデンプンや、サトウキビ由来の糖など植物由来の成分を主原料としたプラスチックであり、ポリ乳酸とも呼ばれます。特長として、環境負荷が少ない・生分解性を有することが挙げられます。
植物由来のデンプンや糖を発酵させて乳酸を作り、その乳酸を重合することで樹脂とします。PLAは限りある化石資源を使用しない、生物資源を原料とするバイオマスプラスチックに属します。
また植物が生育過程で吸収したCO₂で製品製造過程において排出されるCO₂を均衡させることでカーボンニュートラルが成立します。
土中、特に堆肥のなかで微生物の働きにより二酸化炭素と水への分解がおこなわれます。
このことから農業用マルチなど自然環境で使用され、廃棄時の回収を必要としない製品へ使われています。
また、自然界へ流出しても環境への負担が小さいと考えられることから、ストローなどワンウェイプラスチック製品への使用も行われています。
成形の自由度が高いため、素材の置き換えに手間がかからず、現状使用している成形マシンをそのまま使用することができます。
これらの特長から、農業や漁業製品のほかにも3Dプリンター用のフィラメント、食品包装・容器、建材や家電製品など幅広く使用されています。
日本ではバイオプラスチック導入ロードマップを策定し、2030年までに現状の素材から、より持続可能性が高いバイオプラスチックの最大限の導入を目指しています。
※バイオプラスチック導入ロードマップ | 環境再生・資源循環 | 環境省 (env.go.jp)
国内のみならず諸外国においてもバイオプラスチックの製造・使用の高まりがあることから、環境負荷低減をはかる動きが進んでいます。
2024年1月にボストンコンサルティンググループが実施した、15~69歳までの消費者意識調査によると、
国、企業、個人などの広い単位で石油由来資源の利用を減らす、CO₂削減への貢献がすすんでいます。
メリットが多く利用推進が高まるPLAですが、一方でデメリットも保有しています。
比較的低い温度(約60℃)で軟化・変形するため、高温環境に不向きです。
他のプラスチックに比べ割れやすく、引っ張り強度も低いため、耐久性や柔軟性が求められる製品には不向きです。
耐熱性が低いことから、加工時の高温に弱く、変形しやすい場合があります。
環境負荷が少なく生分解性を有していますが、結晶加速度が遅く流動性が悪いことで成形性が低いというイメージを持たれています。
しかし今回ご紹介するminima社の取り扱うPLA樹脂は、他のPLAに比べ耐熱や流動性の数値が高く、上記のデメリットをカバーした樹脂といえます。
minimaは生分解性プラスチックのコンパウンド樹脂の製造、生分解性製品製造販売を行う2003年に設立された台湾のメーカーです。
統合されたワンストップシナリオにより、配合、樹脂製造からさまざまな用途、最終製品まで、すべての製造工程を一気通貫で対応できます。このプロセスにより、製造工程間における輸送が不要になり、二酸化炭素排出量削減に貢献いたします。多様なコンポスト可能な製品は、お客様のあらゆる環境に優しいニーズに応える究極のトータルソリューションです。minimaは、持続可能性と製品および製造工程における環境負荷低減をお約束しており、つまりは貴社にとって同社はサステナブルソリューションパートナーであると言えます。
PLA樹脂はもちろん、製品としてはマルチフィルム、堆肥化可能バッグ、カトラリー、ストロー、紙製ホットカップ、PLA製コールドカップ、包装容器、配合樹脂、堆肥化装置を製造しています。各種製造工場、コーティング工場などの設備を有しています。
minimaのPLA樹脂は従来の製造設備で使用可能なため、大規模な設備投資をせずに環境配慮型樹脂への置き換えを可能にしています。主にアジアやヨーロッパ、アメリカを中心とする国際市場で活躍し、樹脂のリーディングカンパニーとして知られています。
minimaではPLAに独自の化合物を配合し、様々な成型に対応できるペレットの作成や製品の製造を行っています。これによりPLAが不得意としていた耐熱性・加工性が向上し、様々な製品用途に対応できます。
PLAを素材に製造した使い捨てコップです。耐熱温度が比較的高く機能的でありながら、再生可能資源を利用することで環境負荷低減にも貢献できます。
100%堆肥化可能の素材を使用した紙コップです。生分解性を有しているため、施設での処理を行うことで約60~90日程度で分解し堆肥へと再利用が可能です。
様々な環境対応樹脂が存在するなか、今回はPLAについて紹介しました。
さらにminimaのPLAは、従来の設備で使用ができること、様々な成型に対応可能であることから、より幅広い製品製造に役立つといえます。
植物由来資源の使用で石油由来資源の使用量を減少となり、製造プロセスにおいてはカーボンニュートラルが適応されます。
また生分解性を有することで堆肥へと再利用が可能です。万が一自然環境下に流出した場合でも、影響が少ないとされています。
正しい廃棄プロセスを辿ることで、PLAの環境負荷が少ないという特性を生かすことができます。
製品情報 | |
バイオマス度 | 80~99.9% |
主原料 | PLA+可塑剤 |
土壌生分解 | 〇 |
海洋性分解 | × |
色味 | 白 |
匂い | 微 |
強み | 多機能なグレード、中でもラミネートが得意 |
認証マーク | 生分解中心に海外認証多数 |
成形適合性 | |
射出成形 | 〇 |
押出成形 | 〇 |
シート(真空)成形 | 〇 |
ブロー成形 | 〇 |
インフレーション成形 | 〇 |
食品衛生法対応 | 〇 |
成形条件 | |
成形温度 | 190~210℃ |
流動性(MFR) | 8-12/190℃ |
比重(密度) | 1.45 |
最低出荷数量(kg) | 25 |