印画紙とコート紙の違いとは?実際に印刷して仕上がりを比較しました
最終更新日:2026/11/05

印刷物を制作する場合、求められる仕上がりは用途によって異なります。
写真を鮮やかに見せたい・落ち着いた印象に仕上げたい・文字を読みやすくしたいなど、用途に応じて印刷方法・用紙・インクを選定する必要があります。
これまで当サイトでは、印刷方法・インクによる発色や質感の違いをご紹介してきました。
今回は印刷用紙(インクジェットメディア)の違いによって、同じ画像を異なる用紙に出力した際にどのような違いが生まれるのかを比較しました。
実際に出力した印刷物の仕上がりを比較し、光沢感や再現性などに注目しながらそれぞれの用紙の特長をご紹介します。
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実際に出力した用紙と印刷条件
今回の比較では、同じ画像データを5種類の異なるインクジェット用紙に出力し、見え方や質感の違いを確認します。
使用したプリンターはEPSON SureColor P20550。水性顔料インクを12色搭載し、高画質と優れた生産性を実現しています。
このように出力されます。
用紙ごとの特長
今回使用した用紙は以下の5種類です。
【PS光沢】
強い光沢感と鮮やかさが特長です。厚みもあり、写真作品のような重圧感のある仕上がりになります。
【PS半光沢】
控えめな光沢感とエンボス加工によって、どの角度からも印刷が見えやすいです。
【キャストコート】
鏡面のような光沢があり、平滑性が高いです。
【グロスコート】
自然な光沢で、汎用性が高いです。
【マットコート】
光沢を抑え、落ち着いた仕上がりになります。
印画紙とコート紙の違い
今回比較した5種の用紙は、印画紙系(PS光沢、PS半光沢)・コート紙系(キャストコート、グロスコート、マットコート)の大きく2種に分類されます。
同じインクジェット用紙でも、ベース素材や表面構造が異なるため、光沢や発色の見え方に違いが生まれます。
コート紙とは
コート紙は紙をベースとし、表面にコーティングを施すことで平滑性や印刷適正を高めた用紙になります。
中でもキャストコートは、塗工した表面をキャストドラムに押し当てながら乾燥させることで、平滑性が高く、表面に鏡面のような光沢を実現します。
印画紙とは
印画紙には2種類の用途があります。
一つは銀塩写真印刷専用の用紙として、もう一つは今回ご紹介するインクジェット用紙です。
フィルムで撮影した写真の現像で使用されていた写真用紙と似た質感・厚みを持たせた、高品質のインクジェット用紙のことを印画紙(またはレジンコート紙)と呼んでいます。
インクジェットプリンターで出力が可能な印画紙は、表面にレジンコーティングが施されています。
そのため奥行きのある色調が分かるツヤ感があり、高い色再現性を表現できます。
コート紙は表面のコーティングによって光沢があるのに対し、印画紙は印刷された色そのものが発色するという違いがあります。
■レジンコーティングとは?
紙の表面にレジン(樹脂)でコーティングをすることで紙の耐水性が高まります。
また、インクの乾燥時間が早くなり、波打ち(コックリング)防止にも役立ちます。
実際に出力し比較を行う
今回は5種類のインクジェット用紙に同じ画像を出力し、違いを確認しました。
なかでも特に違いが分かりやすかった、PS光沢紙(印画紙ベース)、キャストコート、マットコート紙を画像で比較します。

印刷データ

左からPS光沢・キャストコート・マットコート
細部の違い
・光沢
印画紙:表面の光沢はツヤがあり、白色全体が明るく見えます。
キャストコート紙:光沢が強く、色の境界がシャープに見えます。
マットコート紙:光沢が抑えられ、反射が少なく落ち着いて見えます。
・黒の締まり
印画紙:暗部や花の影部分に深みがあり、黒がしっかり締まっています。
キャストコート紙:印画紙に比べやや締まりに硬さがあり、輪郭がくっきりとシャープに写っています。
マットコート紙:黒が少し柔らかく見え、引き締まり感は控えめです。
・白飛びの具合
印画紙:白い花びらは明るく見えつつも、花びら内部の陰影や筋も残っています。
キャストコート紙:白のインパクトが強く、ハイライト部分はやや白飛びしやすい傾向があります。
マットコート紙:細かな陰影が残りやすく、白飛びは最も少なく見えます。
・階調と彩度
印画紙:グラデーションが滑らかで、自然な階調表現がみられます。自然な鮮やかさがあります。
キャストコート紙:花びらの凹凸や輪郭のメリハリが良く表現されています。色味に派手さがあります。
マットコート紙:コントラストが抑えめで、柔らかな階調で自然な見え方です。彩度は抑えめです。
全体的な違い
印画紙:滑らかで写真的な高品質、高級感重視の場合に最適
キャストコート紙:高い発色で鮮やかさ、目立ちやすさ重視の場合に最適
マットコート紙:文字も読みやすく、落ち着きを重視する場合に最適
出力の様子
DSC01481
印画紙:黒に深みがあり、陰影が良く見えます
DSC01532
キャストコート紙:出力直後からツヤがあります
まとめ
今回の出力比較では、同じプリンター、インク、画像を使用して出力しても用紙によって見え方が大きく異なることが確認できました。
特に印画紙とコート紙では、光沢の出方が大きく異なり、印画紙は印刷した画像そのものが発色・コート紙は用紙の表面が光を反射しているような見え方の差がありました。
印刷ではプリンターやインクに注目しがちですが、用途に合わせて最適な用紙を選ぶことも、使用時に表現したい魅力を最大限に引き出すために重要な要素となります。
展示会でのパネルやポスター、フライヤーなどの販促物を作成する際には、ぜひ用紙選定にも目を向けてみてください。
仕上がりの印象が大きく変わり、伝えたい内容をより効果的に表現できます。
印画紙・コート紙を選ぶにあたり、印刷した仕上がりをどう見せたいかもご相談ください。最適な用紙・印刷方法をご提案いたします。
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