UV印刷とは?他の印刷方法との違いやメリット・デメリット紹介


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UV印刷とは?他の印刷方法との違いやメリット・デメリット紹介

UV印刷とは、紫外線(UV)光を使用してインクを瞬時に硬化させる印刷技術です。
従来の印刷方法よりも乾燥時間が短く、環境にも優しいとして注目を集めています。

本記事では、UV印刷が注目される理由や今後の展望を説明し、主なメリットとデメリットついて解説します。

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UV印刷とは

UV印刷は 印刷方法の一つです。
現在、一般的に用いられているオフセット印刷やシルク印刷に比べ、さまざまな強みがあります。

ここではまず、UV印刷の印刷方式や注目される理由、今後の展望を紹介します。

UV印刷の印刷方式

UV(Ultra Violet)印刷とは、紫外線硬化型インクを使用し、印刷後に紫外線を照射してインクを瞬時に硬化させることで、速乾性と高品質を実現する印刷方式です。
インクが素材上で広がることなく、細かいディテールまで鮮明に印刷できます。

UV印刷が注目される背景

UV印刷は1940年代から研究が進められ、1960年代には硬化素材の安定生産と紫外線の出力向上により実用化が進展しました。
1973年のオイルショック後、省エネルギーと環境保護の観点から従来の熱乾燥方式が見直され、無溶剤性のインキを使用するUV印刷が普及しました。

UV印刷が注目される背景には、環境問題の深刻化も挙げられます。
従来のインクは、光化学オキシダントやPM2.5の原因の一つとされるVOCを放出し、環境や人間の健康に悪影響を及ぼしかねません。
このような背景から、いわゆるNon-VOCインキであるUVインキの使用が主流になりつつあります。

UV印刷のUVインキは、VOCを含みません。
そのため、従来のインクよりも環境や健康への負荷を軽減できます。

参考:環境省|大気環境・自動車対策

UV印刷の展望

UVインキ市場は大きく成長すると予測されています。
例えば、アメリカ  の企業によると、2023年に472.6億ドルだった世界のUVインクジェットプリンター市場は、2031年までに818.2億ドルに達する見込みです。

成長の主な要因は、主に環境面での利点や品質の高さ、汎用性などが挙げられます。
特にUV LED硬化における技術の進歩は、従来の印刷方法に比べて作業効率が高まり、エネルギー消費を削減することから、市場の成長をさらに促進すると予想されています。
さらに、カーボンフットプリントが求められる中、UV印刷はより重要性が高まるといえるでしょう。

一方で、UV印刷は初期投資コストが高いという課題もあります。
例えば、UVプリンターはオフセット印刷のプリンターに比べて一般的に高価です。
また、背割れが発生しやすく、使用方法によっては黒のインキが薄くなることもあります。

UV印刷とほかの印刷方法の違い

UV印刷の強みや特徴を具体的に把握するには、ほかの印刷方法と比較してみるとわかりやすいでしょう。
ここではUV印刷とオフセット印刷との違い、シルク印刷との違いを紹介します。

UV印刷とオフセット印刷との違い

オフセット印刷とは金属製の版にインキを転写し、ゴムブランケットを介して紙などの印刷媒体に転写する方法です。
CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色インキ・版を使用する、商業印刷の最も一般的な印刷方法の一つです。
高精度で大量印刷に適しており、特に色の再現や細部の表現に優れています。

UV印刷もCMYKインキを利用する点は同じです。
しかし、オフセット印刷で一般的に使用する油性インキは植物油や鉱物油がベースになっており、環境や健康に悪影響を与えかねないVOCを排出してしまいます。
さらに、通常のオフセット印刷はインキが乾燥するまでに半日から1日程度の時間がかかってしまいます。

UV印刷で用いるUVインキはモノマーや光開始剤、オリゴマーなどが主な原料で、VOCを排出しません。
また、紙だけでなくさまざまな素材に対応でき、一瞬で乾くため乾燥を待つ必要もありません。

UVプリント

UV印刷とシルク印刷との違い

シルク印刷とは、ステンシル(版)を使用してインキを素材に転写する印刷方法です。
布や衣類に適しており、鮮やかな色彩と高い柔軟性を誇ります。
ただし、工程が複雑で乾燥時間が長く、インキの種類によって耐水性や耐久性が異なります。

シルク印刷は工程が多い印刷方法ですが、UV印刷はデジタルデータを使って直接印刷するため手間がかかりません。
また、シルク印刷のプラスチゾルインクは有害なPVCを含むことが多いですが、UV印刷に毒性物質は含まれません​。

JV


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UV印刷のメリット

UV印刷にはさまざまなメリットがあります。
例えば、従来の方法に比べて乾燥までに時間がかからないため、生産性を高めることができるでしょう。

ここでは「乾燥までに時間がかからない」という点を含む、5つのメリットを紹介します。

乾燥するまでに時間がかからない

UV印刷は生産効率の大幅な向上を期待できます。
インキが瞬時に乾燥し、乾燥待ちの時間が不要になることから、すぐに次の工程に移行できるためです。

従来の印刷方法では、インキが乾燥するまでに時間がかかりました。
例えば、油性インキのオフセット印刷ではインキが紙に浸透し、自然乾燥や加熱乾燥に時間を要するため、印刷物が完全に乾燥するまで待つ必要があります。

UV印刷ではインキが基材に浸透せず、紫外線によって即座に硬化するため、乾燥するまでに時間がかかりません。
具体的には、ラミネート加工や切断などの後処理を直ちに行うことができ、急ぎの印刷注文にも迅速に対応できます。

印刷用パウダー不使用で綺麗に仕上がる

従来の印刷方法では、インキの乾燥を早めるために印刷用パウダーを使用することが一般的でした。
しかし、印刷用パウダーは粉が残るため、品質に影響を与えかねません。
例えば、ザラザラとした手触りになったり、色味が変わったりすることもあります。

UV印刷は印刷用パウダーを使わないため粉が残らず、高品質な印刷物を安定して提供できるようになります。

耐久性が高い

従来の印刷方法で使用する油性インキは、印刷面の劣化とともにキズが目立ったり、見た目が悪くなったりする場合があります。
油性インキは環境の影響を受けやすく、湿度や温度によって乾燥の速度が変わることもあるためです。

対してUV印刷は、インキが紫外線によって瞬時に硬化し、基材の表面にしっかりと密着することから、高い耐久性を誇ります。
水分や紫外線にも強く、印刷物が色褪せずに長期間維持されるため、看板やバナー、ラベルなどの長期使用が求められる製品にも利用できます。

人体や環境にやさしい

従来のオフセット印刷は、VOCを含みます。
VOCは大量に放出されると、環境に悪影響を与えかねません。
また、室内においても、シックハウス症候群や自立心境障害の原因となる可能性があります。   

UV印刷は紫外線でインクを瞬時に硬化させるため、VOCを排出しません。
さらに、乾燥待ちが不要で廃棄物が少ないことから、環境や健康に優しい印刷方法といえるでしょう。

参考:日本印刷産業連合会

多様な素材に対応できる

UV印刷は紫外線を利用して硬化させるため、さまざまな表面にインクがしっかりと定着します。
紙やカードボードなどの一般的な印刷素材だけでなく、次のような素材にも対応可能です​。

  • プラスチック(アクリル、PVC、ポリカーボネート、ポリプロピレンなど)
  • 金属(アルミニウム、ステンレス)
  • ガラス
  • 木材
  • セラミック
  • テキスタイル

実際に、UV印刷はパッケージやサイネージ、インテリアのデザイン、工業製品などさまざまな分野で利用されています。

uvプリント

UV印刷のデメリット

UV印刷にはさまざまなメリットがある一方、デメリットも存在します。
メリットとデメリットを両方知っておくことで、自社にとって最適な選択肢を選べるでしょう。

ここでは3つのデメリットを紹介します。

印刷コストが高くなる

UV印刷で使用されるUVインキは、油性インキとは異なる原材料を使用しています。
通常の印刷インキよりも硬化成分が高く、油性インキの3倍ほど割高になる場合があります。

また、UV印刷には専用の消耗品(インキローラー、ブランケット等)が必要であり、これらも高価なため、印刷コストが高くなりかねません。

背割れが発生しやすい

UV印刷ではインキが紫外線によって瞬時に硬化するため、印刷されたインキ層が硬くなります。
硬化したインキ層は柔軟性に欠けるため、印刷物を折り曲げたり、折り目を入れたりする際に割れやすくなります。

特に、厚紙や硬質な素材に印刷された場合は注意が必要です。
製品の取り扱いやデザインの段階で適切な対策を講じることが求められます。

黒のインキが薄くなりやすい

UV印刷には、黒インキに含まれるカーボンがUVランプの光を吸収するという特性があります。
インクの濃度が高くなると、硬化を促進する光開始剤に十分な光が届かず、インクが硬化しづらくなります。

不十分な硬化は、裏移りや裏付きなどの問題を引き起こす可能性があるでしょう。
黒インキの使用時には、適切なインクの濃度管理と硬化条件の調整が必要です。

UV印刷

自社に合った印刷方法を選ぼう

UV印刷は従来のオフセット印刷に比べ、乾燥までに時間がかからず、人体や環境に優しいという特徴があります。
一方で、印刷コストが高く、背割れや黒インキが薄くなりやすいといったデメリットもあるため注意が必要です。

大切なのは、自社に合った印刷方法を選ぶことです。
どれだけコストが安くても、品質が損なわれたり自社のニーズを解決できなかったりすると、ほかの方法を試してみるのが得策です。

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