【徹底解説】段ボールリサイクル|資源循環と環境貢献の重要性を解説


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【徹底解説】段ボールリサイクル|資源循環と環境貢献の重要性を解説

日々の生活やビジネスにおいて、私たちの身の回りには多くの段ボールが存在します。オンラインショッピングの普及により、その量はさらに増加傾向にあります。
しかし、これらの段ボールが適切に処理されず廃棄されると、環境に大きな負荷をかけることになります。段ボールのリサイクルは、地球の限られた資源を有効活用し、持続可能な社会を築く上で極めて重要な役割を担っています。
この記事では、段ボールのリサイクル率や正しい出し方、そしてリサイクルできないケースや注意点、さらに国際紙パルプ商事(KPP)が提供する段ボールの再資源化システムまで、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。資源を循環させるための第一歩として、段ボールリサイクルの知識を深め、環境貢献へとつなげましょう。

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段ボール リサイクルの基礎知識と環境への貢献

段ボールのリサイクルは、単にゴミを減らすだけでなく、森林資源の保護や温室効果ガスの排出抑制にも貢献する、地球に優しい取り組みです。日本は世界でもトップクラスの段ボールリサイクル率を誇り、その裏には多くの人々の努力と先進的な技術があります。

日本の驚異的な段ボールのリサイクル率とその背景

日本における段ボールのリサイクル率は、世界的に見ても非常に高い水準にあります。一般社団法人日本段ボール工業会のデータによると、2023年の段ボールの回収率は98.9%、そして利用率は95.4%と報告されており、これは驚異的な数字と言えるでしょう。
この高いリサイクル率が実現している背景には、行政による回収システムの整備、市民一人ひとりのリサイクル意識の高さ、そして製紙メーカーによる技術革新が挙げられます。回収された段ボールは、再び段ボール製品の原料として利用されることで、新たな森林伐採を抑制し、地球環境の保護に大きく貢献します。

段ボールのリサイクルマークが示す資源循環の証

私たちが目にする段ボール製品には、「リサイクルマーク」が付いていることがあります。これは、この段ボールがリサイクル可能な紙製品であることを示しており、資源循環の一環として再利用されるべきであることを消費者に伝えています。
このマークは、三角の矢印が循環している中に「ダンボール」という文字が書かれたデザインが一般的です。このマークがあることで、消費者は迷うことなく分別し、リサイクルに協力することができます。資源の有効活用を促進するためにも、このマークの存在は非常に重要です。

段ボール リサイクルの正しい出し方:家庭から事業所まで

段ボールをリサイクルに出す際、その排出元が家庭か事業所かによって、いくつかの異なるルールや推奨される方法があります。いずれの場合も、資源の効率的な循環のために、以下の点に注意して適切に排出することが大切です。

【家庭から出る段ボールの出し方】
家庭から出る段ボールをリサイクルに出す際は、地域のルールに従い、以下の手順を守りましょう。

  • たたむ: 平らにたたみ、かさばりを抑えます。
  • ひもで縛る: バラバラにならないよう、十字にしっかりとひもで縛ります。
  • 異物を取り除く: ビニール袋、緩衝材、金属製の留め具などは必ず取り除いてください。これらはリサイクル工程で不純物となります。

お住まいの自治体の回収日やルールに従い、適切に分別・排出することが大切です。

【事業所から出る段ボールの出し方】
事業活動に伴って排出される段ボールは、一般的に「産業廃棄物」または「事業系一般廃棄物」として扱われます。家庭ごみとは異なるルールが適用されるため、適切な方法で処理することが求められます。

  • 産業廃棄物処理業者への委託: 大量の段ボールを継続的に排出する事業所は、産業廃棄物処理業の許可を持つ業者に回収・処理を委託するのが一般的です。契約に基づき、定期的な回収や、排出量に応じた処理が行われます。
  • 古紙回収業者との契約: 段ボールが主体の場合は、古紙回収を専門とする業者と契約することも可能です。これにより、リサイクルルートが明確になり、資源の有効活用が促進されます。場合によっては、古紙として買い取りの対象となることもあります。
  • 分別徹底: 事業所内での分別を徹底し、段ボール以外の異物(プラスチック、金属、紙以外の緩衝材など)が混入しないようにすることが重要です。リサイクル製品の品質確保に直結します。
  • 保管方法: 回収までの間、段ボールが雨露に濡れたり、汚れたりしないよう、適切な場所で保管しましょう。

事業所から出る段ボールの具体的な処理方法は、排出量や業種、所在地の自治体の条例などによって異なります。必ず管轄の自治体や専門業者に確認し、法令を遵守した適切な方法で排出してください。

段ボール リサイクルにおける注意点:素材と準備

段ボールのリサイクルにおいては、いくつかの「注意点」があります。これらを守ることで、リサイクルされる段ボールの品質を保ち、再生品の価値を高めることができます。

  • 汚れの確認: 食品や油、水濡れなどでひどく汚れている段ボールは、リサイクルに適しません。カビが生えているものも同様です。これらは再生紙の品質を著しく低下させるため、可燃ごみとして処理する必要があります。
  • 防水加工: 冷凍食品などに使われる耐水性や防水加工が施された段ボールは、通常の段ボールとは異なる素材が使用されており、リサイクルが困難な場合があります。
  • 臭い: ペットの排泄物や強い臭いが染み付いた段ボールも、リサイクル工場での作業環境や再生品の品質に影響を与えるため、リサイクルできないことがあります。

これらの注意点を意識して分別することで、リサイクル資源の質が高まり、循環型社会の実現に貢献できます。

段ボール リサイクルできない種類とその理由

前述のとおり、すべての段ボールがリサイクルできるわけではありません。特定の種類の段ボールや状態の悪い段ボールは、リサイクルできないものとして、適切に処理する必要があります。

分類 具体例 リサイクルできない理由 処理方法の推奨
ひどい汚れ 油、食べ物のカス、カビ、土、ペンキなどで汚れたもの 異物が混入し、再生紙の品質が落ちる。洗浄が困難または不可能。 可燃ごみ
防水・耐水加工 冷凍食品や鮮魚の箱、紙パックの内側に似た素材 特殊なコーティングが施されており、通常のパルプと分離が難しい。 可燃ごみ
臭いが強いもの ペットの排泄物で汚れた段ボール、洗剤の空き箱 再生紙に臭いが移る可能性がある。作業環境への影響。 可燃ごみ
感熱紙・カーボン紙 宅配便の伝票、複写式の書類 特殊なインクや加工が施されており、パルプ化の過程で問題が生じる。 可燃ごみ
金属やプラスチック 梱包用の留め具、ビニール窓、金属製の取っ手 リサイクル機械の故障の原因となる。素材が異なるため分離が必要。 取り除いて分別
ワックス加工 一部の果物箱など表面がツルツルしているもの ワックスがパルプと混ざり、再生紙の品質を低下させる。 可燃ごみ

これらの段ボールは、分別を誤るとリサイクル工程全体に影響を与える可能性があるため、自治体の指示に従って可燃ごみとして出すなど、適切に廃棄してください。

段ボール リサイクルの工程から広がる新たな可能性

私たちが排出する使用済み段ボールは、単なるゴミではなく、貴重な資源です。回収された段ボールが、どのようにして新たな製品へと生まれ変わるのか、その段ボールリサイクルの工程と、再生された資源が何になるのかを知ることは、リサイクルの重要性を再認識するきっかけとなります。

段ボール リサイクルの工程:古紙が生まれ変わるまで

段ボールは、回収されてから再び製品になるまでに、いくつかの重要な工程を経ます。

  • 回収・選別: 家庭や事業所から排出された段ボールは、回収業者や自治体によって集められます。その後、古紙問屋やリサイクル工場で、異物(プラスチック、金属など)が取り除かれ、段ボール以外の古紙(新聞、雑誌など)と選別されます。
  • 溶解(パルプ化): 選別された段ボールは、大量の水と一緒にパルパーと呼ばれる機械に入れられ、繊維状にほぐされます。これにより、段ボールはドロドロの状態、すなわちパルプ液になります。
  • 不純物除去: パルプ液からは、さらに小さな異物(インク、粘着物など)がフィルターや遠心分離機を使って取り除かれます。この工程が、再生紙の品質を左右します。
  • 漂白・精製: 必要に応じて、パルプ液は漂白され、繊維の長さを整えるなどの精製作業が行われます。
  • 抄紙(シート化): 最後に、精製されたパルプ液は、抄紙機という大きな機械で水分を抜きながらシート状に形成されます。熱を加えて乾燥させることで、再生紙の原紙が完成します。
  • 製品化: 完成した再生紙の原紙は、再び段ボールシートやその他の紙製品へと加工され、市場に流通します。

このように、手間と時間をかけた工程を経て、使用済みの段ボールは新たな命を吹き込まれるのです。

段ボール リサイクルで何になる?意外な製品への変身

段ボールはリサイクルで何になるのか疑問に思う方もいるかもしれません。回収された段ボールは、主に新しい段ボール製品の原料として再利用されますが、それ以外にも様々な形で私たちの生活に役立っています。

  • 新たな段ボール: 最も一般的なのは、再び段ボールの原料となるケースです。約90%以上の再生紙が段ボールの原料に使われています。
  • 紙袋や包装紙: 強度のある紙袋や、一般的な包装紙などにも再生段ボールの繊維が活用されます。
  • 芯材: トイレットペーパーの芯や、ラップの芯など、筒状の芯材にも再生紙が利用されています。
  • 建材・断熱材: 一部の再生紙は、建築現場で使われるボードや、住宅の断熱材としても加工されます。環境に配慮した建材として注目されています。
  • 緩衝材: 梱包材として使われる再生紙の緩衝材は、プラスチック製の緩衝材に代わるエコな選択肢として普及しています。

このように、段ボールは幅広い用途で再利用され、資源の有効活用に貢献しています。

段ボール リサイクルにおけるテープ・ガムテープの扱い

段ボールをリサイクルに出す際、段ボールに貼られたガムテープの扱いに悩むことがあると思います。結論から言うと、通常、少量の粘着テープやガムテープであれば、そのままリサイクルに出しても問題ないとされています。
これは、リサイクル工程の溶解(パルプ化)の際に、水に溶けない異物として分離されるためです。しかし、大量のテープが付着している場合や、セロハンテープのように剥がれにくいものは、可能な範囲で取り除くことが推奨されます。特に、布製のガムテープや、ビニールテープは、プラスチックの異物として残りやすいため、できる限り剥がすことが望ましいです。

SHIFT ONでは、段ボールと一緒にリサイクルできる製品リカテープも取り扱っています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。

大量に出る段ボールのリサイクル:個人・法人向けの選択肢

引っ越しや事業活動で段ボールが大量に発生する場合、通常の家庭ごみとは異なる対応が必要になることがあります。

個人の場合:

  • 自治体の集団回収: 地域によっては、定期的に古紙回収業者や自治会などが集団回収を行っています。大量に排出される場合は、事前に相談しておくと良いでしょう。
  • 資源ごみ処理施設への持ち込み: 一部の自治体では、直接資源ごみ処理施設へ持ち込むことが可能です。持ち込み量に制限がある場合もあるため、事前に確認が必要です。

法人の場合:

  • 産業廃棄物処理業者: 事業活動で発生する段ボールは産業廃棄物扱いとなるため、産業廃棄物処理業者に回収を依頼するのが一般的です。
  • 古紙回収業者との契約: 定期的に大量の段ボールが発生する場合は、古紙回収業者と契約することで、効率的な回収とリサイクルが可能です。

大量の段ボールを適切にリサイクルすることで、企業のCSR活動にもつながり、環境負荷の低減に貢献できます。

段ボール リサイクルでお金を得る?買取サービスの現状

不要な段ボールがお金になるのではないかと考える人もいるかもしれません。しかし、個人が家庭から出る少量の段ボールをリサイクルで直接現金化することは、現状ではほとんどありません。

個人の場合:

  • ごく一部の地域やリサイクルセンターで、ポイント付与や特定の景品と交換できる場合もありますが、一般的な段ボールの買取サービスは稀です。多くの場合、自治体の無料回収や集団回収を利用することになります。

法人の場合:

  • 事業所から排出される大量の段ボールの場合、専門の古紙回収業者によっては、段ボールを買取の対象とするケースがあります。これは、古紙が製紙原料としての価値を持つためです。ただし、買取価格は市場価格や量によって変動し、まとまった量でなければ採算が合わないことが多いです。

個人が段ボールリサイクルを通じて直接的な金銭的利益を得る機会は少ないですが、資源の有効活用という大きな意義があることを理解しておくことが重要です。

企業のサステナビリティを促進するKPPのクローズドリサイクルサービス

企業活動において排出される一般廃棄物、特に段ボールのリサイクルは、適切な処理を行うことで環境負荷の低減に大きく貢献します。私たちは、排出された一般廃棄物を単なるゴミとしてではなく、新たな資源として捉え、循環させる「クローズドリサイクル」の仕組みを提供しています。
このサービスは、生産者が生産し消費者が使用した段ボールなどの資源を、回収・再資源化し、生産者自身が再度同じ製品の原料として使用することで、資源の無駄をなくし、よりサステナブルな企業活動へと導きます。
これまで、一般廃棄物としてリサイクルに出しても、自社で再利用できなかった段ボールなどの資源を再び自社で使用する各種資材にリサイクルすることで、自社内循環を実現できるのです。
詳細はこちらをご覧ください。

具体的なサービス内容は以下の通りです。

  • 一般廃棄物の分別・回収支援: お客様の事業所から排出される段ボールを含む一般廃棄物の最適な分別方法を提案し、効率的な回収を支援します。
  • クローズドリサイクルループの構築: 回収した段ボールを当社の提携工場で高品質な再生原料へと加工し、お客様自身の製品や事業活動に必要な資源として再供給する、独自の循環型モデルを構築します。
  • 環境負荷の可視化と報告: クローズドリサイクルによって削減されたCO2排出量や、新規資源の使用量など、環境貢献度を数値で明確に示し、企業のサステナビリティ報告をサポートします。
  • コスト削減とブランドイメージ向上: 廃棄物処理コストの削減に貢献するとともに、環境に配慮した企業としてのブランドイメージ向上にも寄与します。
  • 初期費用ゼロ:基本的にクローズドリサイクルシステムを導入する際にかかる初期費用はかからず、多額の設備投資費用などが発生することはありません。
  • 回収ルートの変更不要:既存の回収ルートから変更することなく、クローズドリサイクルシステムを利用することが可能ため、地場の繋がりを保つことができます。

当社のクローズドリサイクルサービスを活用することで、廃棄物ゼロを目指し、持続可能な社会の実現に貢献するサステナブルな企業へと進化することができます。
地球環境とビジネスの成長を両立させるために、ぜひ私たちのサービスをご検討ください。


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まとめ:持続可能な社会を支える段ボール リサイクル

段ボールのリサイクルは、私たちの日常生活に深く根付いており、持続可能な社会を構築する上で欠かせない活動です。高いリサイクル率を誇る日本において、段ボール
リサイクルは資源の有効活用だけでなく、環境負荷の低減にも大きく貢献しています。リサイクルマークの理解、正しい出し方の実践、そしてリサイクルできない種類の判別など、私たち一人ひとりの適切な行動が、この素晴らしい資源循環システムを支えています。

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