段ボールはリサイクル後、何になる?環境と未来を考える企業の選択肢


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段ボールはリサイクル後、何になる?環境と未来を考える企業の選択肢

私たちの生活に欠かせない段ボールは、物流の要として日々大量に消費されています。
しかし、その段ボールが使用済みになった後、一体何になるのか、そしてそのリサイクルが環境にどのような影響を与えるのか。
本記事では、段ボールのリサイクルがもたらす多大なメリットから、適切な分別方法、そしてその後の具体的なリサイクルの流れまでを詳しく解説します。企業として持続可能な社会に貢献し、資源を循環させるための重要な選択肢についてもご紹介します。

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段ボールはリサイクル後、何になる?その重要性と企業の役割

使用済みの段ボールは、単なるゴミではありません。適切にリサイクルされることで、新たな製品へと生まれ変わり、限りある地球の資源を守る上で極めて重要な役割を果たします。このプロセスは、企業の社会的責任(CSR)を果たすだけでなく、コスト削減やブランドイメージ向上にも繋がります。

段ボールを回収するメリットは?

段ボールを回収し、リサイクルに回すことには、環境面、経済面、そして社会面において多岐にわたるメリットがあります。

環境負荷の低減

  • 新しい段ボールを製造する際に必要な木材資源の消費を抑制できます。リサイクルされた段ボールは、バージンパルプ(新しい木材から作られるパルプ)の使用量を減らし、森林伐採の抑制に貢献します。
  • 製造過程でのエネルギー消費量とCO2排出量を大幅に削減できます。例えば、日本製紙連合会のデータによると、古紙を原料とする紙の製造は、木材パルプから作る場合に比べてCO2排出量を約20%削減できるとされています。
  • 埋め立てゴミの量を減らし、最終処分場の逼迫を緩和します。

経済的メリット

  • 企業にとっては、廃棄物処理費用の削減に直結します。段ボールは産業廃棄物として処理される場合、費用が発生しますが、資源として売却または無償で引き取られることで、コストを抑えることが可能です。

これらのメリットを享受するためにも、企業は積極的に段ボールの回収とリサイクルに取り組むべきです。

段ボールを分別する理由は何ですか?

段ボールをリサイクルする上で、最も重要かつ基本的なステップが分別です。なぜ分別が必要なのでしょうか。それは、不純物が混入するとリサイクル品の品質が低下し、最悪の場合、リサイクルそのものが不可能になるためです。

品質の確保

  • 段ボールは、主に繊維質のパルプでできています。この繊維が不純物と混ざると、再生紙の強度や色合いに悪影響を及ぼします。
  • 特に、プラスチックや金属などの異物は、製紙工程の機械を損傷させる原因にもなります。

リサイクル効率の向上

  • 適切に分別された段ボールは、選別作業の手間を減らし、リサイクル工程全体の効率を高めます。
  • これにより、より多くの段ボールが迅速に再資源化され、資源循環が促進されます。

段ボールリサイクルを妨げる異物とその対応:ビニール紐やガムテープ

段ボールをリサイクルする際、ビニール紐やガムテープの混入は大きな問題です。これらはパルプと異なり水に溶けないため、製紙工程で異物として残り、再生紙の品質低下や製造ラインの停止、多大なコストと時間のロスを引き起こします。特にガムテープは段ボールの溶解を妨げ、再生紙に粘着剤が残る原因となります。

正しい対応としては、段ボールをリサイクルに出す際は、ビニール紐やガムテープを必ず取り除くことが重要です。特に粘着力の強いものや広範囲に貼られたガムテープは可能な限り剥がしましょう。
異物の混入を最小限に抑える努力が、リサイクル全体の品質向上と効率化に繋がります。

段ボールはリサイクル後、何になる?その具体的な流れと未来

分別された段ボールは、専門のルートを経て新たな製品へと生まれ変わります。この一連の流れを理解することは、排出する企業側にとっても重要です。

段ボールリサイクルの流れ

ステップ 内容
回収 家庭から出る段ボールゴミは、主に自治体によって他の資源ゴミと同様に回収されます。一方、企業から出る段ボールは、産業廃棄物として産廃業者によって回収されます。分別が適切に行われていると、この段階での作業がスムーズに進みます。
選別・圧縮 回収された段ボールは、古紙問屋やリサイクル工場で異物(ビニール紐、ガムテープ、プラスチック、金属など)が取り除かれ、種類ごとに選別されます。その後、効率的な運搬のために圧縮されます。
製紙工場へ運搬 圧縮された段ボールは、製紙工場へと運ばれます。日本の段ボール古紙回収率は非常に高く、製紙工場によっては1日400トンものベールが持ち込まれることもあります。
パルプ化 製紙工場では、回収された段ボールを水に溶かし、繊維状のパルプに戻します。この際、インクや不純物を取り除く脱墨(だつぼく)処理が行われます。製紙工場ではパルパーで水に溶かされ不純物を取り除き、クリーナーやスクリーンで細かいゴミ・不純物を取り除きます。
新しい段ボールの製造 パルプ化された繊維は、新しい段ボール原紙の原料となります。この原紙が加工され、再び段ボール箱として私たちの手元に届きます。この段ボール原紙の古紙使用率は90%以上です。
製品化と利用 製造された段ボールは、様々な商品の梱包材として利用され、再び消費者のもとへ。この循環が持続可能な社会を支えます。

このように、段ボールは回収、選別、パルプ化され、そして新しい段ボールとして生まれ変わるという明確な流れを持っています。この循環をより効率的かつ持続可能なものにするためには、企業が排出段階から積極的に関与することが不可欠です。

SHIFT ONのクローズドリサイクルをご紹介

「段ボールはリサイクル後、何になる?」という問いに対する究極の答えの一つが、SHIFT ONのクローズドリサイクルソリューションです。
クローズドリサイクルとは、企業が排出した使用済み段ボールを回収し、それを再びその企業が使用する段ボールとして再生する仕組みです。これは、単なるリサイクルを超え、資源の循環を企業活動の中に完全に組み込むことを目指す画期的な取り組みです。

SHIFT ONのクローズドリサイクルが企業にもたらす価値

環境負荷の最小化

  • 排出された資源が自社の製品として再利用されるため、新たな資源の調達を大幅に削減し、環境への影響を最小限に抑えます。これは、森林資源の保護に直接貢献し、生態系への負荷を軽減することを意味します。
  • CO2排出量の削減にも貢献し、企業のサステナビリティ目標達成を強力にサポートします。バージンパルプ製造に比べて、リサイクルパルプ製造はエネルギー消費が少なく、それに伴う温室効果ガス排出量も抑制されるため、地球温暖化対策に寄与します。
  • SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」や目標14「海の豊かさを守ろう」において目標達成に貢献します。

サプライチェーンの最適化

  • 資源の調達から廃棄、そして再利用までの一貫した管理が可能になります。これにより、サプライチェーン全体の透明性が向上し、効率的な資源管理が実現します。例えば、自社で排出した段ボールがどのように回収され、加工され、再び自社の製品として戻ってくるかという明確な流れを把握できるため、資源の無駄を徹底的に排除できます。
  • 資源価格の変動リスクを低減し、安定的な供給を確保できます。外部市場からの新規調達に依存する度合いが減るため、国際的な資源価格の変動や供給不安といったリスクから企業を守り、事業継続性を高めます。

企業イメージの向上

  • 環境に配慮した先進的な取り組みとして、企業のブランド価値と信頼性を高めます。近年、消費者は企業の環境への取り組みに高い関心を示しており、クローズドリサイクルのような具体的な行動は、環境意識の高い消費者からの支持を得ることに繋がります。
  • ESG投資家からの評価向上にも繋がり、持続可能な経営をアピールできます。

トレーサビリティの確保

  • 排出された段ボールがどのようにリサイクルされ、何に生まれ変わるのかを明確に追跡できます。これは、環境報告書作成やCSR活動の具体的な実績として活用できます。資源の循環経路が明確になることで、企業は自社の環境パフォーマンスを正確に測定し、ステークホルダーに対して透明性の高い情報開示を行うことが可能になります。

SHIFT ONのクローズドリサイクルは、単に段ボールをリサイクルするだけでなく、企業のビジネスモデルそのものに持続可能性を組み込むことを可能にするのです。

まとめ:段ボールはリサイクル後、何になる?持続可能な未来への貢献

本記事では、段ボールリサイクルについて深掘りし、そのメリット、適切な分別、具体的なリサイクルの流れを解説しました。段ボールは、リサイクルにより新たな製品に生まれ変わり、地球の資源保護に不可欠です。
特に、企業が排出する大量の段ボールのリサイクルは、環境負荷低減、経済的メリット、企業イメージ向上に大きく貢献します。その未来を見据え、SHIFT ONのクローズドリサイクルをご紹介しました。
持続可能な社会に向け、お客様の段ボール廃棄をクローズドリサイクルで新たなステージへ。環境とビジネスの両面で、お客様の未来を豊かにするお手伝いをいたします。

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