【2026年4月施行】改正資源有効利用促進法とは?パッケージ・資材メーカーが押さえるべき改正ポイントと対応策

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2026年4月、改正資源有効利用促進法が施行されます。
今回の改正はGX推進法と一体で進められており、再生プラスチックの利用義務化や環境配慮設計の認定制度新設など、パッケージ・資材メーカーの事業に直接的な影響を及ぼす内容となっています。
すでにサステナビリティへの取り組みとして資材の肉薄化や再生原料の使用率向上に取り組んでいる企業も多いですが、今回の法改正は「義務」としての対応が求められる点で、これまでの自主的な取り組みとは性質が異なります。
本記事では、改正の4つの柱から対象条件の確認方法、具体的な対応策までを一気通貫で解説します。

PLAの弱点を克服した素材
耐熱・加工性が向上したminimaPLA

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目次

資源有効利用促進法とは?改正の背景と目的を解説


資源有効利用促進法(正式名称:資源の有効な利用の促進に関する法律)は、循環型社会の構築に向けて3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進を事業者に求める法律です。
1991年に「再生資源の利用の促進に関する法律」として制定され、2000年の大幅改正で現在の名称となり、3Rを総合的に推進する枠組みが整備されました(環境省|資源有効利用促進法の概要)。
今回の改正は、2025年2月に閣議決定され、同年5月28日に国会で成立、6月4日に公布されました(環境省|資源の有効な利用の促進に関する法律の
一部改正について
)。
GX推進法と一体の法案として提出されており、背景には「2050年カーボンニュートラルの実現」と「サーキュラーエコノミー関連市場を2030年に80兆円規模へ拡大する」という政府目標があります。

改正前の資源有効利用促進法の概要|10業種69品目と3Rの枠組み

改正前の法律は、10の主要業種に関連する69品目を対象として、事業者に3Rの取り組みを求めていました。
具体的には、「指定省資源化製品」として長寿命化や省資源化の設計を求める製品群、「指定再利用促進製品」として分解・分別しやすい設計を求める製品群、「指定表示製品」として識別表示を義務付ける製品群などに分類されていました。
しかし、2023年度のリサイクル率は19.5%にとどまっており(環境省|一般廃棄物の排出及び処理状況)、大幅な改善には至っていません。
特に、再生材の利用そのものを直接義務化する仕組みがなかったことが課題として指摘されていました。

2026年改正のポイント|4つの柱で強化される資源循環制度

今回の改正では、資源循環制度を抜本的に強化する4つの柱が導入されます(経済産業省|GXグループ事務局資料)。

① 再生資源の利用義務化(指定脱炭素化再生資源利用促進製品)

最も注目すべき改正点が、「指定脱炭素化再生資源利用促進製品」の新設です。
脱炭素化再生資源として「再生プラスチック」が指定され、対象製品として容器包装(食品用・医薬品用を除く)、家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)、自動車の3カテゴリが検討されています(経済産業省|GXグループ事務局資料)。
対象製品の製造事業者や輸入販売事業者には、再生プラスチックの利用目標を含む計画の提出が義務付けられます。
初回計画は2027年6月末までに提出し、2028年度以降は前年度実績の定期報告を毎年行う必要があります。

② 環境配慮設計の認定制度

解体・分別しやすい設計や長寿命化につながる設計など、特に優れた環境配慮設計を行った製品に対する認定制度が新設されます。
認定を受けた製品はその旨を表示でき、リサイクル設備への投資に対する金融支援や、国の調達における配慮措置といったインセンティブが受けられます。

③ 自主回収・再資源化の促進

高い回収目標を掲げて主務大臣の認定を受けたメーカーには、廃棄物処理法の業許可が不要になる特例が設けられます。
適正処理の遵守を前提として、メーカー主導の回収・再資源化ルートを構築しやすくなります。

④ CEコマース事業者の新設

リユース・リース・シェアリングなどを行うCEコマース事業者が新たな事業者類型として位置づけられ、資源の有効利用の観点から満たすべき基準が設定されます。
製品の「所有」から「利用」への転換を法的に後押しする仕組みです。

容器包装リサイクル法との違い|2つの法律の役割を整理

改正資源有効利用促進法と混同されやすい法律に「容器包装リサイクル法」があります。
両者の違いを以下に整理します。

比較項目 容器包装リサイクル法 資源有効利用促進法(改正後)
主な目的 容器包装廃棄物の分別収集・再商品化 製造段階での3R推進と再生材利用の義務化
対象 家庭から排出される容器包装廃棄物 10業種69品目の製造事業者等
役割分担 消費者(分別)・自治体(収集)・事業者(再商品化) 製造事業者が3Rおよび再生材利用を推進
改正後の注目点 既存の枠組みを維持 再生プラ利用計画の提出・定期報告が義務化

容器包装リサイクル法は、家庭から排出された容器包装廃棄物の「回収・再商品化」に主眼を置く法律です。
一方、改正資源有効利用促進法は、製造段階での「再生材利用」を義務化する点に特徴があります。
今回の改正により、両法が「回収→再生→利用」の資源循環サイクルを補完し合う関係となりました。

パッケージ・資材メーカーに影響する改正ポイント

パッケージ・資材メーカーにとって最も影響が大きいのは、プラスチック製容器包装が「指定脱炭素化再生資源利用促進製品」に指定される見通しであることです。
該当する事業者は、再生プラスチックの利用計画を作成し、利用目標と利用率向上に向けた取り組みを計画に盛り込む必要があります。
対応が不十分な場合は、主務大臣による指導・助言、改善されなければ勧告、さらに命令、最終的には罰則が科される段階的な措置が設けられています。
早期の情報収集と計画策定が不可欠です。

自社は対象?改正資源有効利用促進法の対象条件を確認


改正法の義務が自社に適用されるかどうかは、「製品」と「製造・販売量」の2つの軸で判断します。

対象となる製品|容器包装を中心としたプラスチック製品

現在検討されている対象製品は、容器包装、家電4品目、自動車の3カテゴリです。
パッケージ・資材メーカーに直接関係するのは「容器包装」カテゴリです。
ただし、食品用容器包装(PETボトルは対象)と医薬品用容器包装は当初の対象から除外される方針です。
食品容器包装は容器包装全体に占める割合が大きいため、食品業界の実態を踏まえながら今後5年以内に対象拡大の見直しが予定されています(経済産業省|GXグループ事務局資料)。

対象となる製造・販売量の基準|年間1万トン以上が目安

容器包装の場合、生産量または販売量が年間1万トン以上の製造事業者等が、計画提出・定期報告の義務対象となる見通しです(経済産業省|GXグループ事務局資料)。
ここで注意すべきは、自社で製造する場合だけでなく、製造を発注する事業者や、海外で製造された製品を輸入販売する事業者も対象に含まれる点です。
自社の年間生産量・販売量を確認し、基準値と照合することをおすすめします。
現時点で基準を下回る場合でも、今後の対象拡大を見据えた準備は有効です。

パッケージメーカーに求められる具体的な対応ステップ


改正法への対応は、以下の3つのステップで進めるとスムーズです。
2026年4月の施行から2027年6月の初回計画提出までは約1年強。
早い段階から準備に着手することが重要です。

ステップ1:自社製品の対象/非対象を整理する

まず、自社が製造・発注・輸入販売するプラスチック製容器包装をリストアップし、対象要件と突き合わせます。
食品用・医薬品用の除外範囲を確認するとともに、OEM製造品や委託生産品が義務の対象に含まれるかどうかもあわせて整理しましょう。

ステップ2:再生材使用率・紙化可能領域を洗い出す

次に、現在の製品ラインにおける再生プラスチックの使用実績を棚卸しします。
再生材の調達先、使用量、品質面での課題を把握した上で、今後の拡大余地を検討します。
同時に、プラスチックから紙素材へ切り替え可能な製品領域(外装箱、緩衝材、ラベルなど)を特定することも有効です。
紙化により、再生プラ利用義務の対象となるプラスチック使用量そのものを削減できます。

ステップ3:設計思想を再検討する(モノマテリアル・紙化・樹脂削減)

再生材利用率を高めるには、製品設計段階からの見直しが不可欠です。
複合素材を単一素材(モノマテリアル)に統一することでリサイクル効率が向上し、結果として再生プラスチックの品質も確保しやすくなります。
薄肉化・軽量化による樹脂使用量の削減も、義務対象量を減らす有効なアプローチです。
なお、改正法で新設される環境配慮設計の認定制度を活用すれば、国による調達配慮や金融支援などの恩恵を受けることも可能です。

改正法対応を加速する3つの解決策


改正資源有効利用促進法への対応を具体的に進めるための3つのアプローチを紹介します。
自社の製品特性やサプライチェーンの状況に応じて、最適な組み合わせを検討してください。

① 紙化|プラスチックから紙素材への転換で樹脂使用量を削減

外装パッケージや緩衝材、ラベルなど、紙素材への切り替えが比較的容易な領域は少なくありません。
紙化を進めることで、再生プラスチック利用義務の対象量自体を減らすことができ、法対応の負荷を軽減できます。
近年は耐水性や強度を備えた紙素材の選択肢も広がっており、従来プラスチックでなければ実現できなかった用途にも紙化の可能性が広がっています。

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② 環境対応樹脂|生分解性・堆肥化可能な素材の活用

従来のプラスチックに代わる選択肢として、PLA(ポリ乳酸)などの生分解性プラスチックの活用が注目されています。
土壌中で生分解される特性を持つ素材は、ワンウェイ用途(使い捨てカトラリー、食品包装袋など)との親和性が高く、環境配慮設計の認定制度を見据えた素材選定にも適しています。
環境対応樹脂への切り替えは、企業のサステナビリティ戦略を対外的に示すことにもつながります。

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③ モノマテリアル化|単一素材設計でリサイクル効率を最大化

容器本体、ラベル、フィルムなどを同一素材に統一する「モノマテリアル化」は、リサイクル工程における分離・分別の手間を大幅に削減します。
結果としてリサイクル率が向上し、再生プラスチックの品質確保にもつながります。
欧州ではすでにモノマテリアル設計を義務化する動きも進んでおり、日本でも今後ますます重要性が高まる設計思想です。

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まとめ|改正資源有効利用促進法への対応は今から始める

改正資源有効利用促進法は、2026年4月に施行されます。
対象事業者は、2027年6月末までに再生プラスチックの利用計画を提出し、2028年度以降は毎年の定期報告が求められます。
パッケージ・資材メーカーとして早期に着手すべきは、「対象製品の確認」「再生材使用率の現状把握」「設計思想の見直し」の3点です。
法改正を単なるコスト増と捉えるのではなく、紙化・環境対応樹脂・モノマテリアル化といった具体策を組み合わせることで、環境対応と競争力強化を両立させることが可能です。

KPP(国際紙パルプ商事)がご提案できること

KPPは、プラスチック製容器包装分野における環境対応を、素材提案から設計支援までトータルでサポートしています。
環境対応樹脂minimaPLAをはじめ、紙化のご提案やモノマテリアル設計のご相談にも対応可能です。
改正法の対象となるプラスチック容器包装領域(袋&フィルム、PLAコップ、ストロー&フタ、紙コップ、スターラー&フタ、PLA容器&レンジ用ボックス、各タイプ容器、食器セット等)において、お客様の素材転換・設計見直しをご支援いたします。
まずはお気軽に資料をご覧ください。

PLAの弱点を克服した素材
耐熱・加工性が向上したminimaPLA

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