フィルムリサイクルの方法と課題を徹底解説|廃棄コストを抑える新しい選択肢「クローズドリサイクル」


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フィルムリサイクルの方法と課題を徹底解説|廃棄コストを抑える新しい選択肢「クローズドリサイクル」

包装・梱包・保護材として、フィルムは製造や物流の現場に欠かせない資材です。
一方で、複層構造や汚れのためリサイクルが難しく、使用済みフィルムの多くは焼却・廃棄されているのが現状です。
そこに今、産業廃棄物の処理費上昇による廃棄コストの増加、プラスチック資源循環促進法をはじめとする規制強化、2026年春のナフサショックによる原料高という3つの圧力が重なり、フィルム資材の見直しは急務となっています。

本記事では、フィルムリサイクルの方法と課題を整理したうえで、使用済みフィルムを自社内で循環させる新しい選択肢を解説します。

クローズドリサイクル事例

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効果をイメージ

  • クローズドリサイクルは段ボールに限らず、フィルムや金属などの資材でも可能です
  • 導入事例には幅広い業種のお客様からの声を掲載しています。検討にお役立てください
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目次

フィルムリサイクルで今、企業に求められること|規制対応と効果の可視化


企業がフィルムリサイクルに取り組むべき理由は、「規制対応」と「効果の可視化」の2軸で整理できます。
製造側だけでなく排出事業者にも再資源化への関与を求める流れが強まっており、取り組みを数値で説明できる状態をつくることが重要になっています。
本章では、この2つの観点から押さえるべきポイントを整理します。

強化される規制と社会的要請への対応|プラスチック資源循環促進法と再資源化事業等高度化法

2022年4月施行のプラスチック資源循環促進法は、製品の設計から廃棄までの資源循環を主に製造・提供側へ促す法律です(環境省|「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」普及啓発ページ)。
環境配慮設計や排出抑制など、プラスチックを扱う事業者全体に資源循環への取り組みを求める内容です。

さらに2024年には再資源化事業等高度化法が成立し、2025年11月に本格施行されました。
廃棄物処理・再資源化という静脈側の高度化を図る新法で、排出事業者・製造業者・処理業者それぞれの役割が明確化されています。
年間1万トン以上の廃棄物を扱う処理業者には報告義務が課されるため、委託先を通じて排出事業者である自社にも対応が及びます。
フィルムを産廃委託している企業にとって、もはや他人事ではない変化といえるでしょう。

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リサイクルの取り組みを数値で示す「効果の可視化」の重要性

規制対応と並んで重要なのが、リサイクルの取り組みを「どれだけ循環させたか」という数値で示す効果の可視化です。
回収量やCO2削減量を定量化できれば、ESG投資への対応や、SDGsの「つくる責任・つかう責任」の達成状況も社内外へ説明しやすくなります。
サステナビリティ部門が経営層や取引先へ報告する際にも、可視化されたデータは有力な判断材料です。

逆に、委託先任せで行き先がわからない状態では、削減効果を示すデータがそろわず、説明責任を果たしにくくなります。
後述する自社内循環の仕組みは、この可視化と特に相性が良い手法です。

プラスチック製フィルムのマテリアルフローとリサイクルの課題


フィルムがなぜリサイクルしにくいのかを理解するには、原料から廃棄までの流れ=マテリアルフローの全体像を押さえることが近道です。
フィルムは薄く軽量で複層構造が多いという素材特性から、回収・分別・再生のいずれの工程にもハードルがあります。

本章でライフサイクルを俯瞰し、自社のフィルムがどの段階でつまずいているのかを確認していきましょう。

フィルムの一般的なライフサイクル|原料・製造・使用・廃棄の流れ

フィルムのライフサイクルは、原料→製造→使用→廃棄という一方通行(ワンウェイ)の流れが一般的です。
ナフサを起点とする樹脂原料からフィルムが製造され、包装・梱包・保護材として使用された後、多くは産業廃棄物として処理業者に委託され、焼却処分されています。
2026年春のナフサショック以降は原料価格の上昇が調達コストに直結し、使い捨て前提の運用そのものが負担になりつつあります。

この過程で廃棄コストが発生するうえ、委託後のフィルムの行き先は不明になりがちです。
行き先の不明さは、前章で述べた効果の可視化の面でも課題となります。
裏を返せば、このワンウェイの流れには循環に変えられる余地が残されているのです。

フィルムリサイクルが難しい4つの理由|できない理由と分別の壁

フィルムリサイクルが難しい理由は、①汚れ・異物の混入、②複数素材の混在とラミネート加工、③軽量・かさばりによる回収効率の悪さ、④再生材の品質・強度の問題の4つに整理できます。
それぞれがなぜ障壁になるのか、順に見ていきましょう。

①汚れ・異物の混入による品質低下

食品残渣や油分などの汚れが付着したフィルムは、混ぜると他の再生材まで汚染し、品質を落としてしまいます。
選別・洗浄には多大なコストがかかるため、結果的に焼却へ回されるケースが少なくありません。
リサイクルに回すには、排出時点での分別と清浄度の管理が欠かせません。

②複数素材の混在とラミネート加工による分離困難

複数の樹脂を接着剤で貼り合わせた積層・ラミネートフィルムは、素材ごとの分離が困難です。
食品パッケージなどの軟包装に多い構造で、素材として再生する方法に不向きなため、熱回収に回りやすくなります。
逆にいえば、単一素材のフィルムは分離の工程が不要で、リサイクルに適した構造だといえます。

③軽量・かさばりによる回収効率の悪さ

フィルムは薄く軽量でかさばるため、重量当たりの回収・運搬効率が悪く、経済性が成立しにくい構造的な課題を抱えています。
選別工程で機械に巻き付き、故障の原因になることも回収を難しくする一因です。
圧縮・減容して保管や運搬の効率を高めるなど、回収側の工夫が求められます。

④再生材の品質・強度の問題

再生フィルムは強度や透明性が低下しやすく、食品用途など元と同じ用途には戻りにくいのが実情です。
同一製品に戻す水平リサイクルは難しく、要求水準の低い別用途へ流れるカスケードリサイクルになりやすい傾向があります。
再生材はゴミ袋や土木資材など、要求水準の合う用途で活用されているのが現状です。

フィルムリサイクルの主な手法|マテリアル・ケミカル・サーマルの3つの方法


フィルムリサイクルの方法は、マテリアル・ケミカル・サーマルの3つに大別されます。
それぞれの仕組みと、フィルムに適用した場合の現実的な向き不向きを整理します。
自社のフィルムの汚れ・素材構成・量によって、適する手法は変わってきます。

マテリアルリサイクル|フィルムを別用途製品へ再生する方法と実態

マテリアルリサイクルは、使用済みフィルムを粉砕・洗浄してペレット(粒状の再生原料)化し、パレットや建材など別用途の製品へ再生する方法です。
フィルム→ペレット→別用途製品という流れで、素材を素材のまま生かせます。

一方で再生時に品質が低下するため、食品用途など元と同じ用途には戻りにくいのが実態です。
選別・洗浄のコストが高く、制度に支えられている面もあるため、理想的に見えて適用には条件があるのが実情です(経済産業省|プラスチック再生材の取扱いについて)。

逆に、単一素材で汚れの少ないフィルムであれば、マテリアルリサイクルは十分に機能します。

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ケミカルリサイクル|化学的に分解して原料に戻す方法

ケミカルリサイクルは、フィルムを化学的に分解し、油やモノマー(樹脂の原料となる分子)、ガスなど原料レベルまで戻して再利用する方法です。
汚れや複層構造があっても処理しやすく、品質劣化を抑えて再生できる利点があります。

ただし大規模な設備とエネルギー・コストを要し、社会実装は途上です。
国内でもガス化や油化の実証が進められており、マテリアルとサーマルの中間に位置づく中長期的な選択肢といえます。

サーマルリサイクル|熱回収が主流となっている理由

サーマルリサイクルは、廃棄物を焼却して熱エネルギーを回収する方法です。
汚れや複層構造でマテリアル・ケミカルが難しいフィルムの多くはこの熱回収に回っており、日本のフィルム処理の主流となっています。
焼却施設での発電や熱供給に利用されるのが典型です。

一定のエネルギーは回収できるものの、CO2を排出し資源としては循環しないため、国際的には「リサイクル」と見なされない場合があります。
だからこそ、廃棄を前提としない次の選択肢が求められているのです。

フィルム再利用の新しい選択肢「クローズドリサイクル」とは


従来の3手法の課題を踏まえた新しい選択肢が、自社が排出した使用済みフィルムを回収・再原料化し、再び自社で使う仕組みです。
ワンウェイの使用を減らし、これまで支払うだけだった廃棄コストを資源に変えられます。
出荷と入荷の両方を持つ製造業や、アッセンブリ(組立加工)を行う物流・倉庫業にとって現実的に取り組める方法です。

クローズドリサイクルとは|自社内でフィルムを循環させる仕組み

クローズドリサイクルとは、事業者が排出した使用済み資源を回収・再原料化し、同じ事業者が製品として再び利用する仕組みです。
お客様→KPP→素材メーカー→コンバーター(加工メーカー)という循環フローで、使用済みフィルムが再びフィルム製品として手元に戻ります。
不特定多数からの回収物を扱うオープンリサイクルと異なり、自社内で完結するため回収物の質と量が安定します。
廃棄物削減に加え、リサイクルフローの可視化、ESG投資への対応による競争力強化といったメリットも得られます。
「どこで・どれだけ循環したか」を自社の数字で示せるため、前述の効果の可視化にも直結します。

国もサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を掲げており(環境省|令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第2節 循環経済(サーキュラーエコノミー))、クローズドリサイクルはその実践形といえます。

クローズドリサイクルについての詳細はこちら
クローズドリサイクルは何か、環境対応をお客様に合わせてご提案
クローズドリサイクルとはなにか | 環境対応をお客様に合わせてご提案

お客様から排出された廃棄物を、再度お客様が使用する製品に戻し再納入する、クローズドリサイクルとしておこなっています。...

クローズドリサイクルが成立しやすい企業の4つの特徴

クローズドリサイクルは万能ではなく、成立しやすい条件があります。
事例から導かれた見極め基準は、①フィルムの廃棄コストが発生している、②出荷・入荷の両方がある、③回収物が比較的きれい、④継続的な使用量が安定している、の4つです。
自社が当てはまるか、順に確認してみてください。

①フィルムの廃棄コストが発生している

現在フィルムを産業廃棄物として委託し、廃棄コストが発生している企業ほど導入効果は大きくなります。
回収・再原料化によって、コストを資源に変える効果をそのまま享受できるためです。
廃棄費用と再生品コストを比較すれば、導入効果を金額で試算できます。

②出荷・入荷の両方がある

出荷と入荷の両方を行う企業は、自社から出たフィルムを自社の物流網で回収しやすく、循環の輪を閉じやすい立場にあります。
自社でアッセンブリまで行う物流・倉庫業は特に好適です。

③回収物が比較的きれい

単一素材で汚れの少ない回収物は再原料化しやすく、再生スキームを仕組み化しやすくなります。
後述の事例でも、回収物が美品・単一素材だったことが導入の決め手になりました。
排出時に異物を混ぜない運用ルールを整えるだけでも、適合度は高められます。

④継続的な使用量が安定している

フィルムの使用量が安定して継続的にある企業は、回収量と再生量の見通しが立てやすく、循環スキームを安定して運用できます。
排出がスポット的な場合は、まず排出量の把握から始めるとよいでしょう。

フィルムクローズドリサイクルの導入事例|ポリエチレン袋の再生

倉庫管理業A社は、航空機部品 of 輸送に使う年間約40万枚のポリエチレン袋を全量再生品へ切り替え、推定で年間1,509kgCO2/kgの削減につなげました。
年間を通じて安定した量の排出があり、前述の4つの特徴を満たすケースでした。
回収物が単一素材で付着物が少なく美品だったことが、回収・再生スキームを仕組み化する決め手となっています。
現行コストから大きな変更なく移行できた点も、導入判断を後押ししました。
特別な設備投資を伴わず、既存の物流と運用の中で循環を実現できたことが、この事例のポイントです。

クローズドリサイクル事例紹介
JALメンテナンス
株式会社JALメンテナンスサービスでのクローズドリサイクル事例

日本航空株式会社ではサステナビリティとして、事業活動を通じて持続可能な社会の実現を目指しています。...

まとめ|フィルムリサイクルの見直しでコスト削減と資源循環を両立する

フィルムリサイクルは、廃棄コストの増加・規制強化・ナフサショックという3つの圧力により、見直しが避けられない局面にあります。
マテリアル・ケミカル・サーマルにはそれぞれ課題があり、自社内で循環させるクローズドリサイクルは、コスト削減と資源循環を両立できる有力な選択肢です。
重要なのは、自社のフィルムの素材・汚れ・量という条件を把握し、最適な循環の形を選ぶことです。

自社に合ったフィルム循環の仕組みづくりはKPPへ相談

フィルムの廃棄に課題をお持ちなら、排出状況の把握から回収・再原料化スキームの設計・運用まで、KPPが伴走して支援します。
ご紹介した事例のように、まずは自社の条件でクローズドリサイクルが成立するかどうかの相談から始められます。
業種別の導入事例をまとめた事例集も、以下から無料でダウンロードいただけます。

クローズドリサイクル事例

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他社事例で導入後の
効果をイメージ

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