屋外ポスターのすべて|屋内用との違いや設置条件、設置場所、材質などについて詳しく解説


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屋外ポスターのすべて|屋内用との違いや設置条件、設置場所、材質などについて詳しく解説

屋外ポスターとは、その名の通り、建物の壁面や電柱、専用の掲示板など、屋外に設置される広告用ポスターのことです。通行人や車両のドライバーなど、不特定多数の人々の目に触れることを目的としています。店舗の告知やイベントの案内、企業のブランディングなど、様々な用途で活用されています。

この記事では、そんな屋外ポスターについて屋内用との違いや設置条件や材質などの観点から詳しく解説し、屋外用ポスターに最適な素材もご紹介します。

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屋外ポスターの基本

ポスターは、情報を視覚的に伝えるための印刷物または表示物です。古くから広告やプロモーションの主要なツールとして利用されてきました。
文字や写真、イラストなどを組み合わせてデザインされ、人々の注意を引き、特定のメッセージを伝達する役割を担います。
ポスターはその設置場所によって、大きく「屋外ポスター」と「屋内ポスター」に分けられます。それぞれの目的や機能に応じて、適した素材や印刷方法、デザインが異なります。

屋外用ポスターと屋内ポスターの違い

環境への適応力が鍵

屋外ポスターと屋内ポスターの最も大きな違いは、設置される「環境」です。

  • 屋外ポスター: 太陽光(紫外線)、雨、風、気温の変化、湿度、塵や埃などの影響を直接受けます。これらの自然環境に耐えうるように、耐久性、耐水性、耐候性、UVカット性能などが高い素材や加工が必須となります。例えば、一般的な紙ポスターを屋外にそのまま掲示すると、数日から数週間で色褪せたり、破れたり、水分を含んで劣化したりします。
  • 屋内ポスター: 建物内部の比較的安定した環境に設置されます。直射日光や雨風の影響はほとんど受けないため、一般的な紙素材やインクで十分な場合が多いです。美術館や店舗内、駅構内などに掲示されるポスターがこれにあたります。デザインの自由度が高く、光沢感のある紙や特殊な表面加工なども比較的容易に利用できます。

このように、屋外ポスターは厳しい環境下でも長期間情報を維持するために、素材選びや加工に特別な配慮が必要です。
これがコストや製作期間にも影響を与える要因となります。

屋外ポスターの設置条件

法規制と物理的な耐久性

法規制

屋外にポスターを設置するには、いくつかの重要な条件をクリアする必要があります。
最も重要なのは、屋外広告物法および各地方自治体が定める屋外広告物条例の遵守です。これらの法令は、良好な景観の維持、風致の維持、公衆への危害防止などを目的として、屋外広告物の表示場所、規格、期間などを規制しています。

例えば、東京都では、許可なく屋外広告物を表示できない「禁止区域」や、表示できる広告物の種類やサイズに制限がある「制限区域」が定められています。特定の地域では、高さや面積に具体的な数値制限があり、例えば高さ10メートルを超える広告物や、面積が30平方メートルを超える広告物は原則として許可が必要となる場合があります(具体的な数値は自治体により異なります)。違反した場合は、撤去命令や罰金などの罰則が科される可能性があります。

物理的な耐久性

さらに物理的な条件として、前述の通り、太陽光、雨、風、気温変化などに対する耐久性が求められます。
ポスター自体が劣化して情報が読み取れなくなるだけでなく、剥がれたり落下したりすると通行人に危険を及ぼす可能性があるため、安全性が確保できる素材選びと確実な設置方法が不可欠です。

効果的な場所の選定

屋外ポスターの設置場所は、広告効果を最大化するために慎重に選ばれます。主な設置場所としては以下のようなものがあります。

  • 店舗の壁面や窓: 自店舗への誘導や商品・サービスの告知に最も直接的です。
  • 専用の屋外広告掲示板: 駅前や繁華街など、人通りの多い場所に設置されていることが多く、多くの人の目に触れる機会があります。
  • 電柱広告: 交通量の多い道路沿いや交差点付近に設置され、車両のドライバーや歩行者にアピールできます。ただし、設置できるエリアやサイズには厳しい制限があります。
  • 交通広告: バス停の待合所や電車の中吊り(これは厳密には屋内ですが、移動体広告として屋外の視認性も持ちます。)、駅構内の壁面など。
  • イベント会場周辺: ライブ会場や展示場など、特定のターゲットが集まる場所に設置することで高い効果が期待できます。

場所を選定する際は、ターゲット層の行動範囲や、視認性(通行速度、距離、周囲の環境)、そして前述の法規制を考慮する必要があります。例えば、時速40kmで走行する車から認識させるためには、ポスターのサイズや文字の大きさに一定の基準が必要とされます。
一般的に、屋外広告の視認距離は、広告物のサイズや設置高さによって大きく異なりますが、道路標識などの基準を参考にすると、文字高1cmあたり約1メートル離れて認識できると言われています。

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耐久性と表現力の両立が重要な屋外ポスターの材質

屋外ポスターに使用される材質は、その耐久性と表現力によって多岐にわたります。
主な材質とその特徴は以下の通りです。

紙ポスター(屋外用加工)

一般的な紙素材に印刷した後、屋外での使用に耐えうるように特殊な加工を施したものです。

  • 特徴: 比較的安価で、写真やイラストなどのデザインを鮮やかに表現しやすいのが利点です。ただし、紙自体は水に弱いため、耐水性のあるインクを使用したり、表面にラミネート加工やUVカット加工を施したりすることが必須です。短期掲示や、雨が直接当たらない軒下などに適しています。耐久性は他の屋外専用素材に比べて劣る傾向があります。
  • 具体的な加工例: 耐水紙への印刷、PPラミネート加工(光沢またはマット)、UVカットラミネート加工など。これらの加工により、数週間から数ヶ月程度の耐候性を持たせることが可能です。

布ポスター(ターポリン、トロマットなど)

合成繊維などを基材とした、強度と耐水性に優れた布状の素材です。

  • 特徴: 非常に丈夫で破れにくく、雨風に強いのが最大の特長です。ターポリンはテント生地のような素材で、耐久性が非常に高く、長期の屋外掲示に適しています。トロマットはターポリンより軽量で扱いやすく、発色が良いですが、耐久性はターポリンにやや劣ります。折りたたんで持ち運びやすいという利点もあります。
  • 用途: 建築現場の養生シート、イベントの横断幕や懸垂幕、大型の屋外広告などに広く利用されています。耐久性が求められる長期の掲示に適しています。一般的なターポリンの耐候性は、環境にもよりますが1年〜3年程度とされています。

デジタルサイネージ

液晶ディスプレイやLEDディスプレイなどの電子表示機器を利用した屋外ポスターです。

  • 特徴: 静止画だけでなく、動画やアニメーションを表示できるため、視覚的なインパクトが大きく、より多くの情報を効果的に伝えることができます。表示内容を遠隔で簡単に変更できるため、タイムリーな情報発信や複数の広告の切り替えが可能です。
  • 屋外用デジタルサイネージの条件: 屋外に設置するためには、高い輝度(太陽光下でも視認できるよう、一般的な屋内用ディスプレイの数倍~数十倍の明るさが必要。例えば、屋内用が300~500cd/㎡程度なのに対し、屋外用は1500~5000cd/㎡以上が一般的)、防塵・防水性能(IP規格などで示される)、耐熱・耐寒性能、強化ガラスによる耐衝撃性などが求められます。初期費用は他の材質に比べて高額ですが、長期的な運用や情報更新の頻度が高い場合にはコストパフォーマンスに優れる場合があります。
  • 用途: 駅前広場、商業施設の壁面、大型ビジョンなど、視認性の高い場所に設置され、広告や公共情報の発信に利用されています。

これらの材質は、掲示期間、予算、デザイン、設置場所の環境などを考慮して最適なものが選ばれます。

屋外ポスターの効果を最大化するために

さらに屋外ポスターの効果を最大化するためには、以下の点も考慮すると良いでしょう。

  • デザイン: 遠くからでも内容が理解できるよう、シンプルで視認性の高いデザインが重要です。文字サイズ、配色、コントラストに配慮が必要です。通行人が立ち止まる時間は限られているため、一目で伝わるメッセージ性が求められます。
  • メンテナンス: 定期的にポスターの状態を確認し、汚れや破損があれば清掃や交換を行うことで、常に良好な状態を保ち、広告効果を維持できます。特にデジタルサイネージは機器のメンテナンスも重要です。
  • 効果測定: 可能であれば、設置場所の通行量調査や、QRコードからのアクセス数、特定のキャンペーンコードの利用状況などを追跡することで、ポスターの効果を測定し、今後の広告戦略に活かすことができます。

屋外ポスターは、適切に計画・実行することで、多くの人々にリーチし、ビジネスの成果に貢献する強力な広告媒体となり得ます。

防水性をもち屋外ポスターにも最適な環境配慮型合成紙「ユポ」のご紹介

屋外ポスターは耐久性と表現力を両立しながら、用途に合わせた選択が必要です。
KPPでは、具体的なソリューションとしてそんな屋外ポスターにも適した環境配慮型の合成紙「ユポ」をご提供しています。

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まとめ

屋外ポスターは、厳しい自然環境に耐えうる素材や加工が必要な、屋外に設置される広告媒体です。屋内ポスターとの最大の違いはその環境適応力にあります。設置には屋外広告物法や各自治体の条例遵守が不可欠であり、場所選びもターゲットや視認性を考慮して行う必要があります。
材質は紙(屋外用加工)、布(ターポリンなど)、デジタルサイネージなどがあり、それぞれに耐久性や表現力、コストが異なります。

KPPでは、環境配慮型合成紙ユポなどの屋外ポスターやその他の販促物の制作に役立つソリューションを展開しています。施策から量産まで対応し、お客様の最適な素材選びをサポートいたします。
さらに資源循環を見据えたリサイクルしやすい素材やリサイクルシステムのご提案も可能です。
販促物制作をご検討の際は、ぜひKPPにご相談ください。

参考
国土交通省 屋外広告物制度の概要
https://www.mlit.go.jp/toshi/townscape/toshi_townscape_tk_000023.html

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