物流コストを削減する理由とは？2024年問題と企業がとるべき対策を解説

近年、物流業界では制度改革や経済環境の変化により、物流コストは上昇傾向にある一方で、労働力不足が深刻化しています。これらの課題に対処するため、業界全体で多角的な取り組みが進められています。
今回は昨今の物流コストが上昇しているのか、上昇している場合の原因はなにか、解説していきます。

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物流コストとは

物流コストとは、製品を仕入れ、納入元へ届けるために移動させる場合にかかるすべての費用を指します。輸送費だけでなく、保管費、包装費、人件費など多岐にわたる費用が含まれます。

主な物流コストの内訳例

輸送費
トラック、船、航空便などによる移動費用
保管費
倉庫の賃料、管理費
荷役費
商品の積み下ろし、仕分けなどの作業費
包装費
商品の梱包資材や包装作業にかかる費用
管理費
配送管理システムや在庫管理システムの運用コスト
人件費
倉庫スタッフや配送ドライバーの給与など

物流コストの重要性

物流コストは企業の利益率や競争力に直結する重要な指標です。
過度に削減すれば納期遅延や品質低下のリスクがありますが、適切に管理することで、無駄を省きながら高品質なサービスを維持することが可能です。
また、コストを抑えながらサービスの品質を保つことのできる企業は、競争力に強く影響します。

物流コストの動向

近年、物流コストは上昇傾向にあります。2024年度は前年度に比べ0.44ポイント上昇したとの報告もあります。※１
特に2024年4月から施行された「働き方改革関連法」により、トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に制限された、いわゆる2024年問題が影響しています。

2024年問題についての記事はこちら

物流業界を取り巻く現状と紙緩衝材でとれる対策をご紹介

2024年問題とはどのような問題なのかという解説や、自社の利益の減少をとどめる対策が必要とされています。...

法案の成立により、運送業者は労働時間の制約を受けながら、輸送効率の向上や追加の人員確保が求められるようになりました。その結果、物流コストの増加が生じています。
物流コストの上昇は企業の収益構造や価格戦略に大きな影響を与えています。特に小売業や製造業では、物流効率の改善やコスト削減策の検討が急務となっています。

※１：公益社団法人　日本ロジスティクスシステム協会

上昇の主な要因

・人手不足による賃金上昇
トラックドライバー不足や時間外労働規制の影響により、輸送能力が低下し、人件費が増加しています。
・物流事業者からの値上げ要請
燃料費や人件費の上昇を背景に、物流事業者が運賃の引き上げを求めるケースが増えています。
・価格転嫁の進展
荷主企業が物流コストの増加分を商品価格に転嫁し始めたことで、売上高物流コスト比率が上昇しています。

物流業界の労働力の変化

物流業界では、労働力の確保が大きな課題となっています。
特にトラックドライバーの高齢化が進んでおり、若年層の新規参入が少ないことから、労働力不足が深刻化しています。2024年問題により労働時間が制限されたことで、既存の労働力では需要を賄いきれず、労働力の減少傾向が顕著となっています。
こうした状況を踏まえ、物流業界では労働環境の改善や待遇の向上など多様な人材の活用が実施されています。
また、デジタル技術の導入による業務効率化も労働力不足への対応策として期待されています。

当社では物流コスト削減に貢献する、実用的なソリューションをご提供しています

物流業界では、人手不足・運賃の上昇・倉庫コストの高騰といった課題から、物流コストの削減が大きなテーマとなっています。特に2024年問題に象徴されるような時間的制約の中で、梱包作業の効率化や積載効率の向上は多くの企業にとって避けられない課題です。
当社ではこれらの課題解決のために以下のようなソリューションを提供しております。

当社でのソリューション例

作業スピードが向上する紙製緩衝材・Ranpak
梱包、封入作業がスムーズに進む設計のため、現場での作業負担を軽減
シンプルな操作で扱いため、作業性のばらつきがでない
→梱包作業の時間短縮、少人数での作業が可能に
積み込み効率が上がる省スペース型コンテナ・スリーブボックス
トラックのスペースを最大限に活用できる設計
軽量かつ強度の高い素材で積載量を確保
→輸送回数は削減しつつ、輸送量の拡大が可能なため輸送コストの低減につながる

まとめ

物流コストの上昇の背景には、法改正・人手不足・運賃の適正化など、避けられない外的要因があります。
サプライチェーン全体で適切な価格転嫁が行われる中で、削減できる工程・製品の見直しによってコストの削減を図ることが重要な課題となっています。
物流コストの最適化は、一過性の対応ではなく、持続的な経営改善につながる取り組みです。
貴社の現場課題に即したご提案も可能です。是非お気軽にご相談ください。

参考文献
・国民生活センター「国民生活2023年11月号【No.135】」
・内閣府「「2024年問題」による物流費上昇の背景と物価に与える影響について」