環境配慮型インクジェットメディアシリーズのご紹介 | 副資材編
最終更新日:2024/03/27
街中・室内問わず、大切な情報を発信するポスターやタペストリーを印刷するのに欠かせないのがインクジェットプリンターです。
印刷時に使用するインクやメディアといった製品だけでなく、メディアを巻き取る紙管や出荷時に使用するテープといった、副資材と呼ばれる製品も環境対応が進んでいることをご存じでしょうか。
当社では「環境配慮型インクジェットメディアシリーズ」として、インクジェットメディアに関連した副資材に「グリーン紙管」と「リカテープ」を採用いたします。
製品を出荷する際に必要となる紙管やテープは製品を支える資材であり、使用が終われば廃棄されます。
ときには製品よりも多くの量を使用し、その処理に苦労することもある資材を環境対応品に切り替えることで、脱炭素への第一歩へとなります。
廃棄物を減らすという世界的な目標の達成のために、そもそも廃棄物となるような製品の発生量を抑えるという取り組みがあります。焼却処理される廃棄物の排出を減らすことで、温室効果ガスの排出を削減します。
今回は副資材の中で、当社が環境負荷軽減のために対応している、”グリーン紙管”と“リカテープ”についてご紹介いたします。常に使う資材だからこそ切り替えに目を向け、できることから環境対応をはじめてみませんか。
グリーン紙管
グリーン紙管とは
お客様は「印刷後の紙管の置き場に困っている」「使用済みとなった紙管を回収してほしい」などの紙管のお悩みをお持ちでした。
紙管とは、紙フィルム・テープなどを巻き取る用の芯として使用される資材です。 素材は紙と接着剤からなり、円筒状に成型されているのが特徴です。用紙の大きさや用途に合わせて様々なサイズが展開されています。また紙だけを巻き取るだけでなく、 フィルムや糸製品にも役立っています。
原紙は主に段ボール古紙や段ボール原紙から作られています。紙製品のためリサイクルが可能ですが、古紙回収の際にはとて も扱いが難しくなる製品となってしまいます。それはなぜでしょうか。
紙管は、原紙にサイズ剤といった吸水性を抑える薬品を使用し、インクの滲みを防止しています。また、接着剤が合成樹脂系のものであることから、水が浸透しにくく溶けにくいことが難点となります。
使用済み段ボールと違い、平たく畳むことができずかさばることや、巻いている製品を支えるために硬い作りになっていることも、回収時のネックになっています。
古紙として紙管を回収する際に形が変わらずかさばり、プレス加工する際には硬く、また合成樹脂などの接着剤が付着していることから、現状90%以上の紙管がリサイクルではなく焼却処分に回されているのです。
グリーン紙管の製品特性
この現状を打破するために作られた製品がグリーン紙管です。
従来の紙管と異なり、ノーサイズ原紙といったサイズ剤の添加を抑えた原紙を使用し、水が浸透しやすい環境を整えました。接着剤も天然由来原料を使用し、より水に溶解しやすい成分のものになっています。
実際に通常の紙管と比べてみると、水中で30分後には巻かれた原紙が離解し始めています。
次に性能を比べてみます。下記のグラフの通り、通常の紙管と性能に大きな差はありません。
液体の水には溶解しやすい性質を持ちながら、気体の水分子を吸着することはなく、湿度に強い製品となっています。
製品はすでに日米欧での使用実績もあり、従来の紙管と遜色なく使用いただいています。
実験片(紙管):内径3インチ肉厚10t長さ600mm
実験内容:下図に示す条件下で実験片(紙管)を放置し、(1)~(4)の時点での各測定項目を測定
グリーン紙管の環境特性
グリーン紙管を使用することで、もっとも実現できることが環境負荷低減です。
脱プラ効果
紙管の接着剤を従来使用されている合成樹脂系接着剤から天然系接着剤に変更していることで、石油由来の原料使用量が削減できます。
紙管1トンあたり、24.4kgの脱プラ効果が期待できます。
CO2削減効果
CO2などの温室効果ガスが、原料調達から製造、物流から販売・廃棄に至るまでの事業活動の中で、どういった際に排出されているかをカテゴライズしたものがscope1,2、3からなるサプライチェーン排出量算出です。
Scope1は事業者が燃料の焼却などによる直接温室効果ガスを排出すること。Scope2は供給された電気・熱などの使用によって排出された、他社からのエネルギー供給によってもたらした排出。Scope3はそれ以外の間接的排出全般を指しています。
廃棄物を減らす方法に、そもそも廃棄物となるようなものを使わないというのがあります。焼却処理される廃棄物の排出を減らし、温室効果ガスの排出を削減するという試みにグリーン紙管は貢献できます。
リサイクル時の特性
グリーン紙管は離解がしやすい(*)ことから、通常紙管に比べ古紙として複数回リサイクルすることが可能です。また、 古紙として扱うことが可能なため、段ボールなどとの古紙回収も対応可能です。
4回リサイクルで使用し、 5回目に焼却処分する場合、1回の使用で焼却した通常紙管と比較するとCO2の排出量が約70%削減されます。
(*) 当社採用のインクジェットメディア向け紙管は主に2インチ・4mm厚であり、当社で行った離解テストでは問題無し。
但し、10mm厚品等厚物の離解テストに関しては、溶解設備・環境によって溶解速度に差がみられる傾向にあります。
焼却時の特性
グリーン紙管では焼却はscope3に当てはまります。 紙管が工場から出荷される際の輸送時や、廃棄時に排出される温室効果ガスを少しでも 減らすために使用するのはいかかでしょうか。その理由は明確です。
グリーン紙管の原紙と、接着剤に使われている天然由来原料でカーボンニュートラルの 実現が可能です。
焼却処分をおこなったとしても紙管原紙と接着剤を燃やした分のCO2はゼロとなり、紙管1トンあたり38.8kgのCO2排出量が抑えられます。
これらの効果により、紙管を変更するだけで脱プラ・CO2削減効果が見込まれ、新たな仕組み導入などもなく 環境負荷低減が始められます。
当社では使用済みグリーン紙管の周知・切り替え活動をおこなっています。
また、リサイクルのために 使用済み紙管の回収スキーム構築をおこなっています。
環境にやさしい仕組み作りのためには、 お客様の回収へのご協力が不可欠となります。なにとぞよろしくお願いいたします。
当社が構築する紙管回収・再原料化のスキーム
リカテープ
ガムテープとは
昨今ガムテープと呼ばれる粘着テープは、目に沿って手で切れる布製テープ、 またはOPPテープのことを指すことが多くなっています。
しかし、本来の意味でのガムテープはクラフト紙の片面に水溶性の糊が塗ってあり、 使用時に水を付着させ粘着するようになるテープのことを指します。 このことから水テープとも呼ばれ、剥離剤や合成樹脂系接着剤を使用していないことから、 例えば段ボールに貼られていてもそのままリサイクルできるため、 はがす必要がありません。
ガムテープ断面図
リカテープとは
ガムテープのなかで、トウモロコシなどの天然由来素材からなる糊を使用した リカテープは、大手インターネット小売業様の梱包テープにも使用されています。
当社では日本理化製紙社製のガムテープ商品、 「リカテープ」を販売しております。
機能特性
リカテープは素材だけでなく、機能面も優れています。
接着性・セキュリティ性
粘着テープと比較しリカテープは接着性が高く、マイナス40℃から100℃までの温度変化にも対応できます。
はがす際にドライヤーなどの熱を加えるとテープの跡が残らないことで、 不正にはがされた痕跡が分からなくなってしまう恐れが粘着テープにはありますが、 リカテープは密着性が高く、荷物の梱包時に使用した際には高いセキュリティ性を維持することができます。
また、クラフト紙にはカラー印刷が可能なため、自社の名前や商品の詳細、 季節に合わせたお知らせなどの広告としてテープの表面を活用できます。
生産性
水テープの特性として、テープに粘着性を持たせるために、 水を付着させるディスペンサーが必要となります。
ディスペンサーにはテープの長さを記憶する機能があり、 連続で作業する際に役立ちます。手動でテープをカットする作業に対し、自動で繰り出される機械性能で生産性が向上します。
廃棄時の手間
粘着面にゴム・アクリル成分を含んだOPPテープは透明度があり文字などが潰れない良さがありますが、石油由来成分を含み、段ボールとそのまま廃棄できないデメリットもありました。
環境特性と機能性を兼ね備えたリカテープを使用することで、梱包時の作業時間短縮につながり、作業効率が上がります。当社ではインクジェットメディアの配送時の梱包にリカテープを使用し、プラスチック使用量の削減、段ボールの廃棄の手間を減らせるようにご提供しています。
当社では製品だけでなく、付随する資材からも環境を考えています。
再利用できる素材の使用で廃棄物となる製品の量を減らすこと、 天然由来素材の資材の使用で焼却時のCO2の排出量を実質ゼロにするなど、 Scope3での温室効果ガス排出量を減らす取り組みを、お客様に合った取り組み方でご提案いたします。
まとめ
当社では製品だけでなく、付随する資材からも環境を考えています。
再利用できる素材の使用で廃棄物となる製品の量を減らすこと、天然由来素材の資材の使用で焼却時のCO2の排出量を実質ゼロにするなど、 Scope3での温室効果ガス排出量を減らす取り組みを、お客様に合った取り組み方でご提案致します。
詳しくお問い合わせをご希望の方はこちらよりご連絡ください。
フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。
恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。