変わる紙のリサイクルと進化するエコ紙:企業が知っておくべき最新情報

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企業が用紙に関連した環境対応を進める場合、主な視点は製品製造時における環境への配慮と、使用後のリサイクルへの可能性です。
今回は、企業が現状使用している用紙に関してどのような環境配慮ができるか、また、製品の置き換えやリサイクル推進といった観点から企業が取り組める具体的な方法についてご紹介していきます。

使用済み資材を資源として有効活用する
クローズドリサイクル事例集

  • クローズドリサイクルとは
  • フィルム素材のクローズドリサイクル
  • 段ボール素材のクローズドリサイクル
  • 金属素材のクローズドリサイクル

企業で使用されている紙の種類を知る

企業では多くの紙製品を使用していますが、用途も多岐にわたり使用している紙には多くの種類が存在します。まずは企業が社内で一般的に使用する紙の種類を大きく分類しご紹介します。

よく使用する紙の例
・コピー用紙(PPC用紙):社内文章、FAX
・インクジェット用紙:カラー資料、写真
・再生紙:環境配慮の印刷物
・フォーム用紙:連続伝票・帳簿

販促物に使用される紙の例

・塗工紙(アート紙、コート紙、マットコート紙):カタログ、ポスター、パンフレット
・非塗工紙(上質紙):雑誌本文、チラシ、メモ帳、マニュアル、説明書
・カード紙:ポストカード、POP

特殊用途の紙の例
・感熱紙:ファックス、ラベル、レジ用紙
・耐水紙・合成紙:ポスター、POP

返本や使用済み段ボールを再製品化し、新たな出版物へ利用します
返本を図鑑に再製品化するクローズドリサイクルを実現
~Gakken、加賀製紙と協業で年間180トンの古紙を回収予定~

書店などから返品された本や回収した段ボール古紙を再資源化して新たな商品の資材に再生する取り組みを始めました。...

使用済みの紙は古紙として資源化されている

日本では使用済みの紙は古紙として積極的に資源化されています。

2024年度の古紙回収率は、81.7%と高い水準を保っており、古紙利用率も66.6%にまで達しています。
これらの数値はリサイクルが社会全体で定着していることを示しています。

この高い利用率は、紙を排出する側による適切な分別と、製紙メーカーを含むサプライチェーンに携わる企業の努力、特に種別ごとの古紙回収、品質管理、そして高品質な製紙原料としての利用技術によって支えられています。

※出典:公益財団法人 古紙再生促進センター「数字で見る古紙再生」


紙をリサイクルする際の注意

企業や一般消費者が紙を適切にリサイクルするには、いくつかの注意点があります。

古紙リサイクルの限界

古紙リサイクルは資源の有効活用という点で非常に重要ですが、古紙を再原料化して使い続けることには限界があります。

紙から環境配慮を行う場合の手段をご紹介・エコ紙の使用

一般家庭や企業において、現状使用している紙も古紙回収を経て資源として再度製品として出荷されます。
しかし紙そのものをエコ紙に置き換えることで、より環境負荷を低減する効果が期待できます。


お客様から排出された段ボールを回収、製品化して再利用しています
アサヒビール株式会社でのクローズドリサイクル導入事例ー

当社のクローズドリサイクルがどのようにかかわっているかを詳しくお話しいただきました。...

エコ紙と再生紙の違い

エコ紙は環境に配慮して生産された紙を総称する広い概念です。
エコ紙の中には再生紙が含まれるほか、木材以外の植物の素材を原料として使用する紙や非植物原料を使用する紙も含まれます。

環境に配慮したエコ紙を種別ごとに紹介

環境負荷低減に貢献する代表的なエコ紙には、以下のような種類があります。

排出した資源を再利用する取り組みをご紹介・企業内での紙資源循環

企業が排出する紙資源を再利用する取り組みとして、企業内での紙資源循環があります。

最近はオフィスで排出される古紙を回収し、再度オフィス内で使用するトイレットペーパーやペーパータオルなどの衛生用品、あるいは封筒や名刺、メモ用紙、コピー用紙などとして再生利用するクローズド型の取り組みが進められています。これは、輸送エネルギーの削減や、資源の地産地消につながる有効な手段であり、新たな資源へ再利用する取り組みが高まっています。


使用済紙コップをBOXテッシュの箱へマテリアルリサイクルをおこなっています
用済み資源の活用法とは?

モノマテリアル化や循環型システムの導入が注目され...

まとめ

企業の事業活動で必要不可欠な紙は、ライフサイクルにおいて環境への影響を持ちます。
用紙を軸とした環境対応を推進することは、持続可能な社会の実現に貢献するために重要な取り組みです。

身近な行動例としては、使用済み用紙を適切に分別することで古紙リサイクルの推進が挙げられます。
日本では高いリサイクル率を誇りますが、禁忌品の排出をなくし、ルールに則った分別を行うことで、その効率と品質をさらに高めることができます。
同時に、リサイクルには繊維の劣化など、物理的な限界があることも理解しておく必要があります。

ほかにも、再生紙や非木材紙といった環境負荷の低い「エコ紙」を積極的に選択し使用することで、バージンパルプの使用量削減や製造工程の負荷軽減につながり、紙の調達段階から環境配慮を実践することになります。
様々な種類のエコ紙が存在するため、用途に応じて適切な紙を選ぶことが重要になります。
当社では使用場所や目的にあわせて紙の選定をおこないます。お客様が紙で必要としている環境対応を一緒に解決させていただきます。

また、企業内での紙資源循環のような独自の取り組みも高まっています。排出された資源を企業内で有効活用する具体的な手段として注目されています。
当社ではクローズドリサイクルとして様々な素材を取り扱っているため、もちろん紙のリサイクルについてもご相談ください。

このように、リサイクルやエコ紙の利用を促進し、そして社内での資源循環を構築するといった多角的な取り組みを進めることで、企業として環境負荷を低減し、資源循環型のビジネスモデル構築に貢献できます。
脱炭素は企業として必要となる取り組みテーマです。当社のノウハウを活用いただき。ともに循環型社会を実現しましょう。

参考:公益財団法人 古紙再生促進センター「オフィス発生古紙のリサイクル」
「紙リサイクルの基礎知識」(閲覧:2025/04/21)

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