物流業界の課題を考えるカタログを公開しました│両立する課題、人手不足と環境対応を解決する
物流業務の大きな課題として、人手不足と環境負荷対応が挙げられます。
この2点は切り離して考えることができません。例えば人手が足りないことを大量のCo2排出作業で補うことは、いくら効率化となっても推奨できることではありません。
エネルギーを使うべきところで使用し、なるべく一人当たりの作業量を減らすことで、効率化と環境負荷低減が見込まれることでしょう。
今回は実際の企業での取り組みを踏まえ、取り入れられることから考えていきましょう。
人手不足
物流業界だけでなく、日本の人口が減少傾向にあるため、働き手の確保が難しくなっています。
2024年7月1日現在の総人口は1億2,396万人ですが、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は39%の水準になると推計されています。※1.2
※1 総務省統計局
人口推計(2024年(令和6年)2月確定値、2024年(令和6年)7月概算値)(2024年7月19日公表)(2024年8月2日閲覧)
※2 厚生労働省
我が国の人口について(2024年8月2日閲覧)
一方、労働力人口は増加しています。これには女性の社会進出や高齢者の労働参加、働き方改革による柔軟な対応がとられたことなどが挙げられます。※3
※3 厚生労働省
平成18年度版厚生労働白書 第1章, 我が国の社会保障を取り巻く環境と国民意識の変化
2024年6月現在の日本の全産業就業者数は約6139万人、うち物流業界の総就業者数は約316万人であり、全体就業者数の約5%にあたります。※4
※4 e-Stat
労働力調査/基本集計 2024年6月(2024年8月2日閲覧)
その中でも物流業界は40歳~54歳までの労働人口が45.2%とされており、中高年層の割合が大きいことがわかります。このことから人口減少・高齢化が進む中での人材確保、働きやすい現場環境の構築、年代を選ばず使いやすい資材の導入など、人的サポートと効率化の両面での強化が求められます。※5
※5 総務省統計局
令和3年 労働力(2024年8月2日閲覧)
労働環境改善にむけて、2024年4月から働き方改革関連法の改正がありました。労働時間の上限が制限されることでワークライフバランスがとりやすくなることと同時に、従来の業務方法では対応しきれない懸念点が生まれます。 2024年問題の概要や物流業界全体への影響、2024年問題にそなえた取り組みについてご紹介します。...
こちらの記事では2024年問題について取り組むべきこと、当社が対応できることなどを分かりやすく紹介しています。
作業効率化が解決のカギ?2024年問題を解説
2024年問題とは 物流業界の現状と対策
環境負荷対応
こちらも物流業界だけでなく、国を挙げて取り組む課題となります。
例えば2030年度に温室効果ガスを46%削減する、2050年カーボンニュートラルの実現といった宣言がなされています。※6、7
物流業界におけるCO2排出量の多くを占めるのは自動車による排出となります。次世代自動車の普及やインフラ整備の円滑化など、運輸手段の切り替えも進められています。
また運送のハード面だけでなく、積載効率化につながる資材の標準化などソフト面での対応も進められています。
※6 環境省
地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)(2024年8月2日閲覧)
※7 環境省
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて(2024年8月2日閲覧)
人手不足と環境対応の両立例
従来自動車で行っていた輸送を、環境負荷が小さい鉄道や船舶に変更することをモーダルシフトと呼びます。
実際に自動車から輸送方法を転換すると鉄道では約90%、船舶では約80%もCO2排出量を削減できます。※8
※8 国土交通省
モーダルシフトとは(2024年8月2日閲覧)
さらに、出荷点から終着点まで自動車であれば長距離の運転を要していたところを、出荷点から最寄りの鉄道や船舶の拠点地までとなるので、自動車の運転距離が短縮できます。作業工程を分割させ、複数の事業者が連携をとることで流通業務の省力化と合理化、また環境負荷低減を両立させることが可能です。
大手企業の取り組み※9
・同業他社間で運輸・配送・保管の共同化をおこなう
・段ボール箱の外装デザインや納品伝票の標準化
・住宅地やビル内の集配業務の一括化
・宅配情報システムネットワークの共有
※9 国土交通省
連携による物流生産性向上を後押しします ~「共同物流等の促進に向けた研究会」提言の公表~(2024年8月2日閲覧)
今後の課題
・パレットの標準化
・連結トラック導入
・船舶における低炭素機器導入支援
当社の取り組み
当社では主に資材による効率化、環境対応をおこなっています。
例えばトラックへの積載量を2倍に増加することができれば、運輸回数を減らすことが見込まれます。
パレットに載せた荷物を外側から強度の高いプラスチック板で囲うことによりボックス化し、上段にも積むことが可能となります。
さらにフィルムやバンドなどを使わずに製品保護もできるため、全体での使用資材量を減らすことが可能です。
☆積載効率化・運輸回数削減・使用資材削減により課題を両立して解決
ほかにもプラスチック樹脂から紙資材への変更で、Co2排出を軽減することが可能です。
製品輸送の際に、破損防止のために封入する緩衝材を樹脂素材にすると、衝撃吸収率が向上することが検証されています。
また、当社が提供する紙緩衝材ソリューション「Ranpak」は使用する際に必要な文だけ緩衝材を作ることができ、資材の保管スペースも少なくすることが可能です。
下記記事では紙緩衝材の性能比較動画を掲載しています。ぜひご覧ください。 Ranpak社は、世界初の環境問題に責任を持ち、お客様の製品を保護する梱包資材を提供すること...
紙緩衝材という選択で可能性を広げる
環境と商品にやさしい梱包資材を展開するRanpak社の魅力
例に挙げた資材は、業務の効率化と環境負荷を低減できる特長をもっています。
施設の改修や大きな機械導入を始める前に、比較的簡単な導入で変化が見える優秀な資材を取り揃えています。
業務工程ごとに悩みを解決と解決法を提示している、当社での物流業務改善のための取り扱い製品カタログはこちらからDLできます。
参考文献:
国土交通省 持続可能な物流の実現に向けた検討会 第1回検討会 令和4年9月2日 資料2 我が国の物流を取り巻く現状と取組状況(2024年8月2日閲覧)
国土交通省 国土交通白書 2022 第1節 わたしたちの暮らしの脱炭素化に向けた取組みの課題と方向性(2024年8月2日閲覧)
国土交通省 物流をめぐる状況について(参考資料①)~物流の現状及び物流政策の取組状況等~(2024年8月2日閲覧)