サーキュラーエコノミーとは?企業事例3選!「紙」の重要性もご紹介


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サーキュラーエコノミーとは?企業事例3選!「紙」の重要性もご紹介

サーキュラーエコノミーは持続可能な社会を実現するうえで重要な経済活動の一つです。
世界中でさまざまな企業がサーキュラーエコノミーの実現に取り組んでおり、日本も例外ではありません。

本記事ではサーキュラーエコノミーとは何かを解説し、国内の企業事例を3つ紹介するとともに「紙」の重要性を説明します。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源の無駄遣いを減らし、資源を再利用・再生利用する循環型の経済システムです。
従来の3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、既存のストックを有効活用し、サービス化などを通じて付加価値を生み出す経済活動を指します。

サーキュラーエコノミーが注目される理由

サーキュラーエコノミーが注目される理由は、地球規模で資源枯渇や環境問題への懸念が高まっているためです。

世界人口の増加に伴って資源利用量は急増しており、従来のリニアエコノミーでは、資源の枯渇、地球温暖化、廃棄物の増加、海洋プラスチックごみなどの深刻な問題が懸念されています。
実際に、OECDによると、世界の資源利用量は2017年の約900億トンから2060年には約1,670億トンに増加すると推計されています。

※参考:OECD|Global Material Resources Outlook to 2060

このような状況下で経済発展と環境保全を両立するためには、資源を効率的かつ持続可能に利用するサーキュラーエコノミーへの移行が重要です。

サーキュラーエコノミーの3原則

サーキュラーエコノミーの3原則は、エレン・マッカーサー財団によって以下のように掲げられています。

  • 廃棄や汚染を出さない
  • 製品と素材を循環させる
  • 自然を再生させる

サーキュラーエコノミーでは上記の原則に基づき、製品の設計段階から廃棄物や汚染を出さないことが求められます。

3R(リデュース・リユース・リサイクル)との関係

日本政府はこれまで、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進し、廃棄物の削減に積極的に取り組んできました。
3Rは、廃棄物や使用済み製品を削減・再利用・再資源化する考え方であり、資源の消費を抑え、廃棄物の発生を最小限にすることを目的としています。

一方で、サーキュラーエコノミーは製品の設計段階から廃棄物や汚染を出さないことを前提とし、資源を循環させる経済モデルです。
つまり、3Rがすでに発生した廃棄物をどのように扱うかに焦点を当てているのに対し、サーキュラーエコノミーは廃棄物そのものを発生させないことを目指しています。

3Rはサーキュラーエコノミーを実現するうえで重要な取り組みです。
詳しくは次の記事を参考にしてください。

サーキュラーエコノミーの一つが「紙」の使用

サーキュラーエコノミーの一つが「紙」を用いることです。

ここでは紙が持続可能性に優れている理由を紹介し、紙をリサイクルして使用するメリットを解説します。

紙が持続可能性に優れている理由

紙は主に木材から作られており、木は再生可能な資源です。
適切に管理された森林では、新しい木を植えることで持続可能な生産が可能になります。

また、紙は再利用が容易です。
使用済みの紙は回収され、リサイクルされた紙として新しい紙製品の原料に使われます。
公益財団法人 古紙再生促進センターのデータによれば、日本の古紙回収率は81.6%(2023年)と世界トップクラスです。

参考:公益財団法人 古紙再生促進センター|数字で見る古紙再生

このように回収・再原料化を経て、生産者が再度同じ製品として使用することをクローズドリサイクルと呼びます。
クローズドリサイクルはサーキュラーエコノミーを実現させる重要なリサイクル方法の一つとして注目されています。

紙をリサイクルして使用するメリット

紙をリサイクルして使用することには、さまざまなメリットがあります。

ここでは3つのメリットを紹介します。

環境問題への取り組みをアピールできる

近年、SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まる中、企業の環境への取り組みはますます重要視されています。
紙のリサイクルは、企業がSDGs達成に貢献していることを示す具体的な行動の一つといえるでしょう。

まず、紙のリサイクルは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」や目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献します。
森林資源の保全やCO2排出量の削減、廃棄物問題の軽減など、地球環境への負荷を低減する具体的な行動を起こしているとして企業のメージが向上し、他の商品も含めた売り上げ増につながる可能性があるでしょう。

参考:公益財団法人日本ユニセフ協会|SDGs17の目標

また、地球環境を意識する企業としてブランディングでき、多様な営業展開が期待できます。

新たな顧客や人材の獲得につながる

環境に配慮する姿勢を示すことは、新たな顧客層を引き寄せるうえで重要です。
現代社会において、環境問題は多くの消費者が関心を寄せる重要なテーマとなっています。
SOCIAL ACTION COMPANY株式会社の調査によると、約8割以上の消費者がSDGsに取り組んでいる企業の商品やサービスを「応援したい」と考えています。

出典:PR TIMES

紙のリサイクルもSDGsの一環であるため、環境意識の高い消費者からの共感と支持を得やすく、新たな顧客層の開拓に繋がります。

また、企業がサステナビリティを重視する企業として認識されると、優秀な人材の応募を促すことができるでしょう。
株式会社学情の調査によると、約65%の学生が「SDGsに取り組んでいる企業の志望度が上がる」とわかっています。

出典:PR TIMES

環境保全につながる

紙をリサイクルして使用することは、環境保全につながります。
リサイクルによって新たな木材の使用が減少し、森林伐採の抑制につながるためです。

また、紙のリサイクルはエネルギー消費を削減し、製造時の二酸化炭素の排出量を減らす効果もあります。
さらに、廃棄物の量を減らすことで、埋立地や焼却による環境への負荷を軽減できます。

クローズドリサイクルのメリット

自社から排出された廃棄物が、具体的にどのような形で再利用されているのかを把握することは、従来のリサイクルシステムでは困難でした。
廃棄物を業者に引き渡したあとは、その行方が見えにくく、本当にリサイクルされているのか、環境負荷の低い方法で処理されているのか、などの疑問が残ることがあります。

クローズドリサイクルは廃棄物から再資源化、そして製品化され自社に戻ってくるまで、一連の流れを「見える化」することが可能です。
例えば、自社製品のプラスチック部品が回収され、粉砕・洗浄などの工程を経て、再び自社製品の新たな部品として組み込まれる様子を追跡できます。

このように、企業は自らの廃棄物が新たな資源として生まれ変わり、再び自社製品の一部となる過程を具体的に把握できるのがクローズドリサイクルのメリットです。

サーキュラーエコノミーの企業事例

サーキュラーエコノミーはさまざまな企業が取り組んでいます。

ここでは国内企業の事例を3つ紹介し、地方自治体の取り組みについて解説します。

国内企業

国内企業の事例として、次の3つを紹介します。

  • 国際紙パルプ商事株式会社
  • アサヒビール株式会社
  • 株式会社JALメンテナンスサービス

国際紙パルプ商事株式会社

当社は株式会社Gakkenや加賀製紙株式会社との連携を通じて、資源を無駄なく循環させる「クローズドリサイクル」に取り組んでいます。
具体的には、書店などから戻ってきた本や不要になった段ボールを回収し、製紙メーカーに古紙として提供しています。

こうして再生された紙は図鑑の表紙などに使われ、『学研の図鑑LIVE 動物 新版』のような新たな本として生まれ変わります。
今年の上半期(1月から6月)だけで、すでに38トンもの古紙を回収しており、年間では180トンに達する見込みです。

クローズドリサイクルによって、質の高い古紙を安定的に確保できるだけでなく、材料の流通経路を明確に追跡できるようになりました。
結果として回収量や再利用量を正確に把握し、資源の有効活用と環境負荷の低減に貢献しています。

アサヒビール株式会社

アサヒビール株式会社はサーキュラーエコノミーの実現に向けて、資源の有効活用と環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。

例えば、ビール製造で生まれるビール粕やビール酵母を飼料や肥料として再利用し、廃棄物を減らしながら資源を無駄なく活用しています。
また、使用済みの瓶や缶のリサイクル率向上にも力を入れ、容器の軽量化や再生可能エネルギーの導入、製造過程でのCO₂排出量削減など、あらゆる面から環境負荷の低減を図っています。

さらに、自社の取り組みだけでなく、サプライチェーン全体での環境負荷低減を目指し、持続可能な農業の推進や物流の効率化にも積極的に取り組んでいます。
これらの活動を通じて、アサヒビール株式会社は資源の循環利用と環境保全を両立させ、持続可能な社会の実現に貢献しています。

株式会社JALメンテナンスサービス

株式会社JALメンテナンスサービスは梱包フィルムのクローズドリサイクル導入など、サーキュラーエコノミーの取り組みを積極的に推進しています。
具体的には、当社との連携により、使用済みフィルムを回収・再資源化し、新たなフィルム資材として再利用する仕組みを構築しました。
廃棄物として焼却処理されていたフィルムを資源として有効活用し、CO₂排出量削減に貢献しています。

導入にあたっては、社員一人ひとりの意識改革を促し、分別回収を徹底。
社内には分別方法などを示すポスターを掲示し、環境意識向上を図りました。

結果的に資源の有効活用だけでなく、社員や取引先、小売店舗など、多くの関係者に環境問題への関心を広げる効果もありました。
さらに、自社で排出した廃棄物を再利用することで、再生原料の安定供給にも繋がり、将来的な資材調達のリスクヘッジにも貢献しました。

自治体

東京都は使い捨てプラスチックの削減や再利用、そして高度なリサイクル技術の推進を通してサーキュラーエコノミーの実現を目指しています。
例えば、大手コーヒーチェーンと協力し、テイクアウト用リユース容器のシェアリングサービスを展開することで、使い捨て容器の削減に貢献しています。
参照:飲料リユース容器シェアリングサービス実装化|東京都 (tokyo.lg.jp)

また、企業と連携し、家庭から出る使用済み日用品ボトルを回収して、同じ種類のプラスチックに戻す高度なリサイクル技術の実証実験も行っています。
参照:みんなでボトルリサイクルプロジェクト|東京都 (tokyo.lg.jp)

プラスチック製品を原料レベルで再生し、新たな製品に生まれ変わらせることで、資源の循環利用を促進しています。

サーキュラーエコノミーの実現ならSHIFT ON

サーキュラーエコノミーはさまざまな企業が取り組むべき課題です。
ただ、いわゆる代替品は、基本的にコストが高くなってしまうと考える方も多いでしょう。

効率的かつコストを抑えながらサーキュラーエコノミーの取り組みを始めるなら、当社にご相談ください。

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