合成樹脂を紙素材へ置き換える 環境対応のための取り組み
環境負荷を減少するため、石油などを原料とする合成樹脂素材の使用から置き換えを検討する場面が昨今多くなっています。
世界的な動きでは2024年3月、EU理事会と欧州議会は包装・包装廃棄物規則案に関して暫定的な政治合意に達したと発表しました。
この法案はさらなる包装・包装廃棄物の再利用やリサイクルに向けて規制を強化する方針を定めています。例として再利用可能な包装材の利用率の目標値の設定や資材のリサクル基準値の導入です。
具体的には行動として、過剰な包装を控え使用量を減らすこと、リサイクルに適した素材を使用することなどが挙げられます。
日本でも樹脂使用が多い包装資材製品に対し、容器包装リサイクル法が制定されています。これに従って取り組むことで、石油由来原料の使用量を減らしCO2削減につなげるだけでなく、ESGの観点からも企業・ブランドのイメージ向上効果が期待できます。
今回は具体的な置き換え素材の例や事例を紹介します。自社の事業に取り入れられる例としてお役立てください。
なぜ環境対応素材のなかでも紙に置き換えるのか
プラスチックは軽量ながらも強度があり、加工性が高いため多くの製品に使用されています。
しかしワンウェイプラスチック(一度きりの使用で廃棄になる製品)は欧州をはじめ各国で規制の流れが広がっています。日本でも特定プラスチック使用製品を対象に、削減や合理化の取り組みがおこなわれています。
一度の使用で廃棄されることで、ごみ排出量が増加し、焼却時にはCO2が発生します。このため素材をプラスチックからほかの素材へ置き換えることが進められています。
なかでも代替素材に紙が選ばれるのはなぜでしょうか。以下の理由が挙げられます。
紙の原料は木材です。生育過程において木材は、大気中のCO2吸収をおこないます。このことから紙の製造時と廃棄時に排出されるCO2は相殺され、カーボンニュートラルにつながります。
また樹木の伐採後、新規の植樹をおこなうことで生育過程のCO2吸収は続くこととなります。
正しく廃棄されずに自然環境に放置されたプラスチックは自力で分解されることはありません。
長い年月をかけて摩耗されていきますが、マイクロプラスチックとして二次的被害を及ぼします。
紙は天然由来素材であり、微生物の働きにより分解されます。このことから強度を極端に必要としない製品や薄さを求められる製品に紙の置き換えが適しています。
2022年度の紙・板紙合計回収率は79.5%、古紙利用率は66.3%と世界的に高い数値にあります。これには日本の古紙回収システムが整備されていることが挙げられます。また利用法も確立されていることから、循環率の高い素材です。
自社の中で使用した資材を、原料としてリサイクルし、再度製品として製造したものを使用することでリサイクルの循環を生み出すことが可能となります。資材を再利用することで、新規に利用する原料の量が少なく抑えられることや、自社の廃棄物がどれほど再利用できたかが可視化するメリットがあります。
当社ではこれらのリサイクルシステムとして、クローズドリサイクルをご提供致します。
例えば素材の中でも使用した段ボールは回収されたのち、工場で資源として製品に再度生まれ変わります。こうした資源循環に乗った製品の使用は、新たな資源の利用を抑えることができるため製造時や廃棄時のCO2が削減できます。
当社のクローズドリサイクルシステムを取り入れることで、既存の商品や商流に大きな変化をもたらすことなく環境対応に取り組めます。
まとめ
当社では環境負荷を減らすため樹脂素材を見直し、置き換えることを推奨しています。
紙製品にまつわるご相談は当社までご連絡ください。
また、代替素材につきましては下記記事もご参考ください。
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参考資料
・JETRO
EU、包装材のリサイクルや再利用、過剰包装禁止を義務付ける規則案で政治合意 閲覧2024年3月12日
・環境省
容器包装リサイクル法とは
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