プラスチックの代替材料として注目されるバルカナイズドファイバーとは|環境配慮と高機能を両立するセルロース素材

北越東洋ファイバー株式会社は、天然セルロースを原料とした工業用素材「バルカナイズドファイバー」および特殊紙の製造・販売を手がける素材メーカーです。
1934年の設立以来、紙・パルプ加工技術を基盤に、環境負荷の低い素材開発を継続してきました。
同社の主力製品であるバルカナイズドファイバーは、コットンパルプや精製パルプなど天然由来のセルロースを原料としたCNF(セルロースナノファイバー)強化素材で、日本で唯一の製造企業として高い技術力を有しています。
SHIFT ONでは、環境配慮や用途に応じた最適な素材選定の支援の一環として、バルカナイズドファイバーを取り扱っています。
プラスチック代替素材として注目される同製品は、強靭性・耐衝撃性・絶縁性・耐摩耗性などの性能を備えながら、生分解性にも優れており、「脱プラスチック」「環境配慮」を求める産業ニーズに応える素材として幅広い分野で採用されています。
今回は、そんな「バルカナイズドファイバー」の特長や用途についてご紹介していきます。
バルカナイズドファイバーとは
バルカナイズドファイバーとは、天然由来のセルロース(主にコットンパルプや精製パルプ)を原料とした、強靭で高機能なシート素材です。
紙をベースとしながらも、一般的な紙製品とは異なり、プラスチックや樹脂材料に近い強度・耐久性を備えている点が大きな特長です。
北越東洋ファイバーは、長年にわたり紙・パルプ加工技術を磨き、セルロースの特性を最大限に引き出したバルカナイズドファイバーを提供してきました。
脱プラスチックや環境配慮が求められる現在、同素材はプラスチック代替材料として注目されています。
バルカナイズドファイバーの製法

バルカナイズドファイバーは、パルプから抄造された原紙を出発点とし、薬品処理と積層・乾燥工程を経て製造されます。
まず、コットンパルプや精製木材パルプからつくられた原紙を、塩化亜鉛溶液に浸し積層します。
その後、塩化亜鉛溶液を水洗により充分に除去し、乾燥させて完成されます。
この薬品処理により、ナノレベル(=セルロースナノファイバー)まで解繊されることで、繊維同士が強固に絡み合い強化材料となるのです。
また、製造過程で使用される薬液は再利用されるなど、工程全体において環境負荷の低減を意識した生産体制が構築されています。
バルカナイズドファイバーの特長
バルカナイズドファイバーには、以下のような特長があります。
- 高い強靭性と耐久性
割れにくく、衝撃や摩耗に強いため、長期間の使用に適しています。 - 優れた加工性
切断、曲げ、プレス加工などが可能で、用途に応じた形状設計がしやすい素材です。 - 電気絶縁性
電気を通しにくい性質を持ち、電気・電子部品用途でも活用されています。 - 生分解性を備えた天然素材
原料の大部分がセルロースで構成されており、使用後の環境負荷が比較的低い点も評価されています。
実験では、一般の紙よりも早く分解されたという結果も見られました。
これらの特性により、バルカナイズドファイバーは強度や機能性が求められる用途におけるプラスチック代替材料として、独自のポジションを確立しています。
バルカナイズドファイバーの用途
バルカナイズドファイバーは、その性能と加工性から、さまざまな分野で使用されています。
- 電気・電子分野
絶縁部材、スペーサー、部品ケースなど - 機械・工業用途
機械部品、研磨材の基材、耐摩耗部品 - 日用品・雑貨
収納ボックス、文具、ケース類 - プラスチック代替用途
樹脂製部品の置き換えや、環境配慮型製品の素材としての採用
近年は、脱プラスチックの流れを背景に、従来は樹脂が使われていた分野での検討・採用が進んでいます。
まとめ
バルカナイズドファイバーは、天然セルロース由来でありながら高い機能性を持つ素材として、長い歴史の中で培われてきました。
強度・加工性・絶縁性といった工業材料としての性能に加え、生分解性や環境配慮型の製造プロセスを備えている点は、現代の社会課題とも親和性が高い特長です。
化石由来プラスチックの使用を見直し、再生可能資源への転換やリサイクル技術の高度化が求められる昨今、天然セルロースを原料とするバルカナイズドファイバーは、プラスチック代替材料として循環型社会の実現に貢献する素材です。
原料から製造工程に至るまで環境負荷低減を意識したものづくりにより、機能性と持続可能性の両立を可能にします。
環境配慮型素材を選択することで、製品価値の向上と社会課題への対応を同時に進めてみませんか。
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素材特性の全体像に加え、幅広い用途展開の考え方をまとめていますので、まずは資料で仕様感を掴み、社内検討や材料選定にぜひお役立てください。









