水性フレキソ印刷とは│高度な技術力で環境対応も可能に
印刷の種類の中でも印圧が軽く、幅広い素材に対応できる水性フレキソ印刷をご存じでしょうか。
水性インキ使用するため有機溶剤の含有量が限りなくゼロに近く、薄紙や厚紙はもちろん、段ボールやフィルム、和紙、不織布などにも印刷対応が可能です。
昨今、パッケージや包装の紙化が進んでいます。そこでは環境負荷減少度合いはもちろん、コストの削減や仕上がりの完成度も重視されます。
そこで最適なのが水性フレキソ印刷です。今回は歴史や特性、使用するメリットを中心にご紹介していきます。
フレキソ印刷の歴史
初期の開発
フレキソ印刷の歴史は、1890年代にさかのぼります。この頃、ゴムスタンプの技術が進化し、初期のフレキソ印刷の版が開発されました。当初は「アニリン印刷」と呼ばれ、アニリン染料を使ったインクを用いて印刷されました。
1910年代
1913年、ドイツの工場で初めてフレキソ印刷機が商業的に導入されました。この機械は、ゴム製の版を使って印刷する技術を採用していましたが、使用されたアニリン染料インクが食品包装に適さないことから、当時は広く普及しませんでした。
1920-1930年代
フレキソ印刷はその後、アメリカやヨーロッパで徐々に普及し始めました。しかし、アニリン染料インクの問題点から、食品包装に適したインクの開発が進められました。1930年代には、より安全なインクが開発され、フレキソ印刷の品質も向上しました。
1950年代
1950年代に入ると、フレキソ印刷技術は大きく進化しました。特に、プラスチックフィルムへの印刷技術が確立され、包装材産業で広く利用されるようになりました。また、この時期に水性インクやUVインクの開発が進み、環境に配慮した印刷方法として注目されるようになりました。
現在
高精度な技術と環境負荷低減の仕様を持つ印刷方法が広がっています。
フレキソ印刷の仕組み
フレキソ印刷に使用する版は、凸版(版の凸部にインクを付け転写)を使用しており、凹凸のある用紙や段ボール、布やフィルムなど伸縮性のある素材にも印刷ができます。
出典:スーパーバッグ株式会社
フレキソ印刷ソリューション | スーパーバッグ株式会社 (superbag.co.jp)
フレキソ印刷を使用するメリット
適応インキ、素材が豊富
フレキソ印刷ではアルコールインキや水性インキ、UVインキなど幅広いインキが使用できます。
また、凸版印刷方式によりインキ塗工量が少量で印刷可能です。このことから平滑性の低い媒体にも印刷ができ、対応可能製品の幅も広がります。
高コストパフォーマンス
高い色再現により、特色版のコストが削減可能。
従来、ライト部の白抜けやベタ部の濃度感の不足が懸念されていましたが、技術の向上によりシャドー部からライト部への諧調表現が改善されています。
環境対応
水性インキの使用によりVOC排出が限りなく少なくなるほか、燃焼廃棄時のCO2排出量の低減につながります。
また、先述において印刷可能素材の幅が広いことから、例えばパッケージを紙化した際に併せて水性フレキソ印刷を使用することで、さらなる環境対応負荷軽減につながります。
出典:水性フレキソ促進協議会
水性フレキソ印刷の特長 | 水性フレキソ促進協議会 (wfpac.jp)
水性フレキソ印刷をおこなうにあたってスーパーバッグ株式会社に特色をお伺いしました
スーパーバッグ株式会社では、長年にわたり培ってきた印刷ノウハウと最新設備を駆使し、高品質のパッケージ印刷を提供しています。
米国で主催されるFTA(フレキソ技術協会)主催の国際フレキソコンペに1988年第1回大会から出展、金賞を受賞しています。その後も本年度に至るまで多数の入賞実績を持ち、フレキソ印刷技術の高さを示しています。
出典:スーパーバッグ株式会社
フレキソ印刷ソリューション | スーパーバッグ株式会社
高い技術は、高度に整った工場設備が支えています。
CI(Central impression)型を中心とする多数の印刷機を保有し、年間1億メーター以上※1の印刷実績があります。
※スーパーバッグ社調べ
出典:スーパーバッグ株式会社
フレキソ印刷ソリューション | スーパーバッグ株式会社
含有するVOCの量が限りなく少ない水性フレキソ印刷は、印刷時も廃棄時にも環境負荷が少ないことが特徴です。スーパーバッグ社の工場では、ほぼ全ての印刷で水性インキを使用しており、植物由来原料を使用した水性バイオマスインキの導入も進めています。
これらを使用した製品や印刷物・パッケージには、オリジナル水性インキマークをはじめとする各種マークを付与することが可能です。これにより環境対応の周知、使用製品のブランド力向上などが見込まれます。
昨今パッケージは、紙化対応が進む中で特に注目される製品となっています。
素材を紙にするだけでなく、印刷方式やインクまでも環境に配慮した製品に変更することで、さらなる環境負荷低減が可能となります。
まとめ
フレキソ印刷とグラビア印刷は版のメカニズムが違うため、それぞれに適した印刷用途があります。
今回は水性インキを使用したフレキソ印刷の使用メリットをご紹介しました。
使用素材の変更だけでも環境負荷を低減することが可能ですが、幅広い素材に適性がある水性フレキソ印刷を組み合わせることで、サプライチェーン全体での環境対応が展開できます。
当社では印刷素材に適した紙、フィルム、インクジェット用紙をご用意しています。素材と水性フレキソ印刷との適正や環境対応の数値化など可視化をおこないます。
参照HP:
スーパーバッグ株式会社
紙袋(ペーパーバッグ)・ポリ袋・レジ袋・エコバッグなど包装はスーパーバッグ株式会社 (superbag.co.jp)
水性フレキソ促進協議会
水性フレキソ促進協議会 | (wfpac.jp)
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